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仂
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はした
ふりがな文庫
“
仂
(
はした
)” の例文
囈言
(
うわごと
)
にも今度のその何か済まないことやらも、旦那様に対してお恥かしいことのようでもございますが、
仂
(
はした
)
ない事を。
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
母の前をも
憚
(
はばか
)
らぬ男の
馴々
(
なれなれ
)
しさを、憎しとにはあらねど、
己
(
おのれ
)
の
仂
(
はした
)
なきやうに
慙
(
は
)
づるなりけり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
お勢は
一旦
(
いったん
)
は文三を
仂
(
はした
)
なく
辱
(
はずかし
)
めはしたものの、心にはさほどにも思わんか、その後はただ冷淡なばかりで、さして
辛
(
つら
)
くも当らん※が、それに引替えて、お政はますます文三を憎んで
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
(あゝ、
然
(
さ
)
う、)と
会心
(
くわいしん
)
の
笑
(
ゑみ
)
を
洩
(
も
)
らして
婦人
(
をんな
)
は
蘆毛
(
あしげ
)
の
方
(
はう
)
を
見
(
み
)
た、
凡
(
およ
)
そ
耐
(
たま
)
らなく
可笑
(
をか
)
しいといつた
仂
(
はした
)
ない
風采
(
とりなり
)
で。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
優容
(
しとやか
)
な
物腰
(
ものごし
)
。
大概
(
たいがい
)
、
莟
(
つぼみ
)
から
咲
(
さ
)
きかかったまで、花の
香
(
か
)
を伝えたから、跛も、めっかちも聞いたであろうに、
仂
(
はした
)
なく笑いもせなんだ、つつましやかな
人柄
(
ひとがら
)
である。
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
(
美津
(
みつ
)
、
下駄
(
げた
)
を
買
(
か
)
うてやるか。)と
言
(
い
)
つて
見
(
み
)
たが、
默
(
だま
)
つて
返事
(
へんじ
)
をしなかつた。
貞淑
(
ていしゆく
)
なる
細君
(
さいくん
)
は、
其
(
そ
)
の
品位
(
ひんゐ
)
を
保
(
たも
)
つこと、
恰
(
あたか
)
も
大籬
(
おほまがき
)
の
遊女
(
いうぢよ
)
の
如
(
ごと
)
く、
廊下
(
らうか
)
で
會話
(
くわいわ
)
を
交
(
まじ
)
へるのは、
仂
(
はした
)
ないと
思
(
おも
)
つたのであらう。
山の手小景
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
仂
漢検1級
部首:⼈
4画