-
トップ
>
-
云付
>
-
いひつけ
遂げ其上喜八が
命乞首尾能く
濟し申べし
其間必ず/\御兩人とも
短見給ふなと
異見をなし妻にも
能々云付置長屋の者を頼みて平兵衞は
早々調度をなし
下總の古河へぞ
赴きける
與がひて
遊びに
追遣り
跡には娘お
熊番頭忠八
髮結清三郎ともに
入込下女のお
久お菊もお
常に
仕込れ日毎に
酒宴の
相手をなし
居たりしが或日お
常は
金二
分出して
下男に
云付酒肴を
潜め我一ツ思ひ
付たる
手段あり
其譯は下女の菊は
生得愚成者なれば是に
云付又七が
閨へ忍ばせ
剃刀にて又七へ少しにても疵を付け
情死せんとて又七に
誑され
口惜ければ
是非とも又七を