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二更
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にこう
ふりがな文庫
“
二更
(
にこう
)” の例文
なかよく連れだってぶらりぶらり
八丁堀
(
はっちょうぼり
)
のお組屋敷へ帰りついたのが、かれこれもう夜も
二更
(
にこう
)
に近い五ツ下がり刻限でした。
右門捕物帖:14 曲芸三人娘
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
とうとう
初夜
(
しょや
)
の鐘が鳴った。それから
二更
(
にこう
)
の鐘が鳴った。二人は露に濡れながら、まだ寺のほとりを去らずにいた。
或敵打の話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
草鞋
(
わらじ
)
の
緒
(
お
)
でも切れたのではないか。範宴は浄土寺の
聚落
(
むら
)
あたりで、辻堂の縁にしばらく休んでいた。禅林寺の鐘の音が、吠える風の中で
二更
(
にこう
)
を告げた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
唐
(
とう
)
といいまして、人の噂では、
匪徒
(
ひと
)
の仲間入りをしているという男ですが、その男が
二更
(
にこう
)
のころに、酒に酔って歩いておりますと、その晩は月があって
涼亭:――序に代へて――
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
昨夜の
二更
(
にこう
)
、大雨の最中に、しかじかの処を廻って居りますと、忽ちに一つの怪物が北の方角から参りました。上は四角で平らで、
蓆
(
むしろ
)
のようで、
糢糊
(
もこ
)
として判りません。
中国怪奇小説集:10 夷堅志(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
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ところが
二更
(
にこう
)
の頃になって、かの加藤清正の屋敷あとといわれる浜屋の家の裏木戸があくと、そこがすでに堀になっていて、
刎橋
(
はねばし
)
が上げてある、そこへ、静かに立ちあらわれた物影がある。
大菩薩峠:38 農奴の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ぐらぐらと揺れる
一銭橋
(
いちもんばし
)
と云うのを渡って、土塀ばかりで
家
(
うち
)
の
疎
(
まばら
)
な、畠も池も
所々
(
ところどころ
)
、
侍町
(
さむらいまち
)
を
幾曲
(
いくまが
)
り、で、
突当
(
つきあた
)
りの松の樹の中のその
邸
(
やしき
)
に行く、……常さんの
家
(
うち
)
を思うにも、
恰
(
あたか
)
もこの時、
二更
(
にこう
)
の鐘の
音
(
おと
)
霰ふる
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
秀吉の
扈従
(
こじゅう
)
たちさえ、当然、泊るものと思っていたのに、秀吉は、夜も
二更
(
にこう
)
の頃というのに、突然
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、ある夜の
二更
(
にこう
)
(午後九時—十一時)に達する頃、賊は又もや獄卒にささやいた。
中国怪奇小説集:11 異聞総録・其他(宋)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その夜も
二更
(
にこう
)
とおぼしき頃に、門をたたいて駈け込んで来た者がある。それは一個の美少年で、手に一つの
嚢
(
ふくろ
)
をさげていた。徐四が怪しんで問うまでもなく、少年は泣いて頼んだ。
中国怪奇小説集:16 子不語(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二更
(
にこう
)
は過ぎた、やがて、三更——
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大定
(
たいてい
)
の末年のある夜、かれは一羽の
鴿
(
はと
)
を
餌
(
えさ
)
として、古い墓の下に網を張り、自分はかたわらの大樹の上に
攀
(
よ
)
じ登ってうかがっていると、夜の
二更
(
にこう
)
(午後九時—十一時)とおぼしき頃に
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
夜は
二更
(
にこう
)
。星ひとつ見えない。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
橙
(
だいだい
)
の実十余個を取って堂下にころがして置いて、二人は堂にのぼって酒を飲んでいると、夜も
二更
(
にこう
)
に及ぶころ、ひとりの男が垣を
踰
(
こ
)
えて忍び込んで来たが、彼は堂下をぐるぐる廻りして
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
二
常用漢字
小1
部首:⼆
2画
更
常用漢字
中学
部首:⽈
7画
“二”で始まる語句
二人
二
二十歳
二十
二月
二十日
二日
二重
二個
二間