のら)” の例文
新字:
わたしもそんなことはらないが、新聞しんぶんさわぎはあつたやうだつけね」内儀かみさんは何處どこかさういふはなしにはのらぬやうで
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
否々少しにても疵は大切たいせつなり自然しぜん等閑なほざり波傷風はしやうふうにもならば容易ならず先兎も角も先刻の茶屋迄御同道ごどうだう申ての事なりサア遠慮ゑんりよに及ばず此駕籠このかごのられよと今惡漢どもの置去おきざりにせし駕籠を引寄ひきよせ浪人を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞付け九助はもし馬士殿是から御殿場へは何位どのくらゐあらふ日一ぱいに行れ樣かアヽ御殿場迄は四里半だから少しくれますべい御殿場よりほかとまる樣な村も無から御殿場迄行つせい私は御殿場へもどる馬だ三百文にまけるから四里半のらつせへと云ふ九助もひとり旅では有是非御殿場へと思へば幸ひと相談さうだん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
下にしきしが今日ものらるゝ約束なれば小袖は其儘そのまゝ我等があづかり置て只今持て參りたりされば一應のはなしなくて出立すべき筈はなしいへば徳右衞門押返おしかへしいや決していつはならじつ昨夜ゆうべ女中よりの咄には明日あす鎌倉の尼寺まで通駕籠とほしかごで參る約束はしたれ共那駕籠屋あのかごやは何とやらん心元こゝろもとなし明朝迎ひに參らば程能ことわくれよと頼まれたりもしいつはりと思は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)