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のせ
役人共は
突退々々富右衞門を引立つゝ問屋場へと連れ來り
宿駕籠に
乘て江戸馬喰町四丁目の
郡代屋敷へ引れしは
無殘なることどもなり
浴槽の一
端へ
後腦を
乘て一
端へ
爪先を
掛て、ふわりと
身を
浮べて
眼を
閉る。
時に
薄目を
開て
天井際の
光線窓を
見る。
碧に
煌めく
桐の
葉の
半分と、
蒼々無際限の
大空が
見える。
取て夫婦二人を
無理に一つ駕籠に
乘是でよしとて半四郎は
向う
鉢卷片肌脱ぎ何の苦もなく
引擔ぎすた/\道を
駈ながら酒屋を
指て急ぎけり
並べ
立てる内にアノ山口巴から來る若旦那かへと小夜衣は
空然長庵の口に
乘られ
然ばなりその三河町の若旦那は
頓と
鼬の
道を