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不遇
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ふぐう
ふりがな文庫
“
不遇
(
ふぐう
)” の例文
不遇
(
ふぐう
)
を誇称して世の中の有名な人たちに陰険ないやがらせを行うというような、めめしい復讐心から申し上げているのでもないので
風の便り
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
もっと特別な猛烈な自己である。それがためイブセンは大変迫害を受けたという訳であります。無論事実
不遇
(
ふぐう
)
な人でありました。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
大谷刑部少輔の遺臣というのが何人か居て、モニカの無事な姿を見、菊丸の
不遇
(
ふぐう
)
な最期の話を聞いて、感動したふうであった。
呂宋の壺
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
と、
不遇
(
ふぐう
)
な心境へ水を向けて引き出し、策をさずけて、伊勢方面へ、
隠密
(
おんみつ
)
に、別行動をとらしておいたものなのである。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほとんど人間とは思えないこの大才、大徳が、なぜこうした
不遇
(
ふぐう
)
に甘んじなければならぬのか。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
▼ もっと見る
環境的
(
かんきょうてき
)
の
不遇
(
ふぐう
)
に成長した人々は、そのかつて充たされなかった心の飢餓を、他の何物にも増して熱情するため、後に彼が一家の主人となった場合、その妻子の忠実な保護者となり
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
彼
(
かれ
)
が
天性
(
てんせい
)
の
柔
(
やさ
)
しいのと、
人
(
ひと
)
に
親切
(
しんせつ
)
なのと、
禮儀
(
れいぎ
)
の
有
(
あ
)
るのと、
品行
(
ひんかう
)
の
方正
(
はうせい
)
なのと、
着古
(
きぶる
)
したフロツクコート、
病人
(
びやうにん
)
らしい
樣子
(
やうす
)
、
家庭
(
かてい
)
の
不遇
(
ふぐう
)
、
是等
(
これら
)
は
皆
(
みな
)
總
(
すべ
)
て
人々
(
ひと/″\
)
に
温
(
あたゝか
)
き
同情
(
どうじやう
)
を
引起
(
ひきおこ
)
さしめたのであつた。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
不遇
(
ふぐう
)
であったのを
怪
(
あや
)
しまぬように
答
(
こた
)
えました。
さかずきの輪廻
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
龍太郎
(
りゅうたろう
)
が
温情
(
おんじょう
)
をこめて、
不遇
(
ふぐう
)
な女をなぐさめてやると、
小文治
(
こぶんじ
)
もおととしの春、まだ自分が
浜名湖
(
はまなこ
)
の
漁師小屋
(
りょうしごや
)
にいて、母の
死骸
(
しがい
)
をほうむる
費用
(
ひよう
)
もなく
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼
(
かれ
)
が
天性
(
てんせい
)
の
柔
(
やさ
)
しいのと、
人
(
ひと
)
に
親切
(
しんせつ
)
なのと、
礼儀
(
れいぎ
)
のあるのと、
品行
(
ひんこう
)
の
方正
(
ほうせい
)
なのと、
着古
(
きぶる
)
したフロックコート、
病人
(
びょうにん
)
らしい
様子
(
ようす
)
、
家庭
(
かてい
)
の
不遇
(
ふぐう
)
、これらは
皆
(
みな
)
総
(
すべ
)
て
人々
(
ひとびと
)
に
温
(
あたたか
)
き
同情
(
どうじょう
)
を
引起
(
ひきおこ
)
さしめたのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
(否とよ。
不遇
(
ふぐう
)
は覚悟のまえである。死ぬ以上生きるは辛いと知る身に、何の待つものがあろう)
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
けれど、人に愛をおしえ、
不遇
(
ふぐう
)
な子の友だちとなり、人に
弓矢
(
ゆみや
)
鉄砲
(
てっぽう
)
いがいの人生を
悟
(
さと
)
らせようと
志
(
こころざ
)
している自分が、その刀をたのみにしたり、その
殺生
(
せっしょう
)
をやったりしてはならない。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もし軍装や兵の表情が、いくらかでもその大将の立場なり性格を反映するものなら、この一
勢
(
ぜい
)
の大将は、よほど何か
不遇
(
ふぐう
)
にあるか、不満なのか、とにかく、異常者にちがいなかった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大久保七郎右衛門の息子——
新十郎忠隣
(
しんじゅうろうただちか
)
だった。まだよい敵に会わないで、今朝から
不遇
(
ふぐう
)
をかこっていたかれは、せっかく、目ざす敵に近づいたとき、あぶみを踏みはずして、落馬しかけた。
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“不遇”の意味
《名詞》
不遇(ふぐう)
才能があるにもかかわらず、それにふさわしい地位や待遇に恵まれないこと。
(出典:Wiktionary)
不
常用漢字
小4
部首:⼀
4画
遇
常用漢字
中学
部首:⾡
12画
“不遇”で始まる語句
不遇裡