下帶したおび)” の例文
新字:下帯
下帶したおび一つで曲者を追つかけて外へ飛出すわけにも行かず、飛出したところで刄物も何んにも無し、こんな困つたことは無かつたよ
含みて夫は職人衆しよくにんしう符號ふちやうにて其なげしと云は下帶したおびの事なりくぢらとは鐵釘かなくぎの事股引もゝひきをばたこと云ふ是れ皆職人衆の平常つねに云ふ符號詞ふちやうことばなりと能々わけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
落葉おちば樣子やうすをして、はうきつて技折戸しをりどから。一寸ちよつと言添いひそへることがある、せつ千助せんすけやはらかな下帶したおびなどを心掛こゝろがけ、淺葱あさぎ襦袢じゆばんをたしなんで薄化粧うすげしやうなどをする。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なし又は下帶したおび鼻紙等迄はなかみとうまで心付こゝろづけを丈夫に持給もちたまへ大方物の間違ならんによりやがて清き身體になるべしと力を付などするうち彦兵衞は奉行所へこそ引れけれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
一寸ちよつと言添いひそへることがある、ごろから元二げんじやはらかな下帶したおびなどを心掛こゝろがけ、淺黄あさぎ襦袢じゆばんをたしなんで薄化粧うすげしやうなどをする、もつといまでこそあれ、時分じぶん仲間ちうげんかほ仙女香せんぢよかうらうとはたれおもひがけないから
二た面 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)