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三味
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しゃみ
ふりがな文庫
“
三味
(
しゃみ
)” の例文
三味線
(
しゃみせん
)
を習うにも五六年はかかる。
巧拙
(
こうせつ
)
を聴き分くるさえ一カ月の修業では出来ぬ。趣味の修養が
三味
(
しゃみ
)
の
稽古
(
けいこ
)
より
易
(
やす
)
いと思うのは間違っている。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三味
(
しゃみ
)
を
弾
(
ひ
)
かせると、ぺこんぺこんとごまかし弾きをするばかり。面白くもないが、僕は酔ったまぎれに歌いもした。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
抱擁すべき何物もない一晩の
臥床
(
ねどこ
)
は、長いあいだの勤めよりも
懈
(
だる
)
く苦しかった。太鼓や
三味
(
しゃみ
)
の音も想い出された。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
斧四郎が、お喜代の
三味
(
しゃみ
)
で、小唄をうたうと、桂は、長州節を
活溌
(
かっぱつ
)
にどなった。露八も、幾つかの
荻江
(
おぎえ
)
を唄った。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
叔父は
謡
(
うたい
)
の会に出て行き、下男の
高
(
こう
)
は庭先の
米倉
(
こめぐら
)
の
軒下
(
のきした
)
で米を
搗
(
つ
)
いており、部屋の中では、
障子
(
しょうじ
)
をしめきって、祖母が
三味
(
しゃみ
)
を弾いて叔母が踊りのおさらいをしていた。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
▼ もっと見る
さてもそののち
室香
(
むろか
)
はお辰を
可愛
(
かわゆ
)
しと思うより、
情
(
じょう
)
には鋭き女の勇気をふり起して昔取ったる
三味
(
しゃみ
)
の
撥
(
ばち
)
、再び握っても色里の往来して
白痴
(
こけ
)
の大尽、
生
(
なま
)
な
通人
(
つうじん
)
めらが
間
(
あい
)
の
周旋
(
とりもち
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
こいつを、お藤、チリチリツンテンシャン! と
三味
(
しゃみ
)
に合わせて歌っているんでございます。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
高木の母は
長唄
(
ながうた
)
の名手で現にお弟子さんに教えている
三味
(
しゃみ
)
の音が二階からきこえている。
篠笹の陰の顔
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
手慣れの
三味
(
しゃみ
)
にひと語りかたっているところをでも不意にうしろから襲われたらしく、二三春は
撥
(
ばち
)
もろともに
太棹
(
ふとざお
)
をしっかりとかかえたまま、前のめりにのめっているのでした。
右門捕物帖:23 幽霊水
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
三味
(
しゃみ
)
を
弾
(
ひ
)
くおすぎ、たま、と云う二人の美しい女がいて、三味を弾き鳴らす女の前に、真紅の網を張りめぐらせて、その網の目から二人の女の
貌
(
かお
)
をねらっては銭を投げる遊びがあったと云うのを
晩菊
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
そして、旗本はその中で、
三味
(
しゃみ
)
、手踊を習っていた。
近藤勇と科学
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
三味
(
しゃみ
)
置きて語る花火の
宵
(
よい
)
なりし
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
三味
(
しゃみ
)
は太鼓ではやす幕の内
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
三味
(
しゃみ
)
の
音
(
ね
)
が思わぬパノラマを余の
眼前
(
がんぜん
)
に展開するにつけ、余は
床
(
ゆか
)
しい過去の
面
(
ま
)
のあたりに立って、二十年の昔に住む、
頑是
(
がんぜ
)
なき小僧と、成り済ましたとき、突然風呂場の戸がさらりと
開
(
あ
)
いた。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
三味
(
しゃみ
)
を
弾
(
ひ
)
きます」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“三味”の意味
《名詞》
(さみ)三味線の略。
(さんまい)(仏教)心を浮動させず一点に集中させること。精神統一。三摩地、定、等持ともいう。(ウィキペディア「三昧」「五位」も参照)。
(出典:Wiktionary)
三
常用漢字
小1
部首:⼀
3画
味
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“三味”で始まる語句
三味線
三味線堀
三味線弾
三味線草
三味線箱
三味線包
三味線屋
三味線引
三味線彈
三味線棹