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一葉女史
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いちえふぢよし
亡なつた
一葉女史が、たけくらべといふ
本に、
狂氣街道といつたのは
是から
前ださうだ、うつかりするな、
恐しいよ、と
固く
北八を
警戒す。
一葉女史はおのれと
同じ
園生にありて
萩の
舍の
露におほし
立られし
下葉なり
萩の
舍中島の
師は
常にいにしへぶりのしなたかきを
教さとし
給へれど
性來のすき
心によの
耳ちかく
俗に
今樣の
情態を
後に——
丸山福山町に、はじめて
一葉女史を
訪ねた
歸り
際に、
襟つき、
銀杏返し、
前垂掛と
云ふ
姿に、
部屋を
送られて
出ると、
勝手元から、
島田の十八九、
色白で、
脊のすらりとした