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一箇
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ひとり
ふりがな文庫
“
一箇
(
ひとり
)” の例文
風呂場に
入
(
い
)
れば、
一箇
(
ひとり
)
の客
先
(
まづ
)
在りて、
未
(
ま
)
だ
燈点
(
ひとも
)
さぬ
微黯
(
うすくらがり
)
の
湯槽
(
ゆぶね
)
に
漬
(
ひた
)
りけるが、何様人の
来
(
きた
)
るに
駭
(
おどろ
)
けると
覚
(
おぼし
)
く、
甚
(
はなは
)
だ
忙
(
せは
)
しげに身を起しつ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
親のない孫と、子のない祖父の外に、此一軒家にはモ
一箇
(
ひとり
)
の活物がゐた。それはお雪より三倍も年老つた、白毛の
盲目馬
(
めくらうま
)
である。
散文詩
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
夜
(
よ
)
はすでに十一時に近づきぬ。
磧
(
かわら
)
は
凄涼
(
せいりょう
)
として
一箇
(
ひとり
)
の
人影
(
じんえい
)
を見ず、天高く、
露気
(
ろき
)
ひややかに、月のみぞひとり澄めりける。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その光で、あたりの光景が
紅
(
べに
)
を流したように明るくなりました。そこに
一箇
(
ひとり
)
の囚徒が
阿修羅
(
あしゅら
)
のように
荒
(
あば
)
れています。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
賣卜者
(
うらなひしや
)
の家へ持込だか先は
何處
(
どこ
)
だか御存かへと問れて
此方
(
こなた
)
は寢耳に水
皆
(
みな
)
さん方も知ての通り
吾儕
(
わたくし
)
は子もなく
本夫
(
ていしゆ
)
に
遲
(
おく
)
れ
一箇
(
ひとり
)
者ゆゑ營業に出るとき家に錠を
卸
(
おろ
)
し
隣
(
となり
)
へ
頼
(
たのみ
)
歸
(
かへ
)
ればまたヤレ火を呉れの湯を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
然らばこの景既に夢ならず!
思掛
(
おもひが
)
けずもここに来にける吾身もまた夢ならず!
但
(
ただ
)
夢に欠く者とては宮
一箇
(
ひとり
)
のみ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
娘は、やっと縁をのぼって座敷へ通ると、そこに病人でもあるように、
蒲団
(
ふとん
)
の上に横たわっていたのが、いま半身を起き直しているところの、
一箇
(
ひとり
)
の男の枕辺に坐ると
大菩薩峠:21 無明の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
渠はこのときまで、
一箇
(
ひとり
)
の頼もしき
馬丁
(
べっとう
)
としてその意中に渠を遇せしなり。いまだかくのごとく畏敬すべき者ならんとは知らざりき。ある点においては渠を支配しうべしと思いしなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
地は荒れ、物は
毀
(
こぼた
)
れたる中に
一箇
(
ひとり
)
は立ち、
一箇
(
ひとり
)
は
偃
(
いこ
)
ひて、
言
(
ことば
)
あらぬ姿の
佗
(
わび
)
しげなるに照すとも無き月影の隠々と
映添
(
さしそ
)
ひたる、既に
彷彿
(
ほうふつ
)
として
悲
(
かなしみ
)
の図を
描成
(
ゑがきな
)
せり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「こっとらの顔が立たねえんだ」と他の
一箇
(
ひとり
)
は叫べり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
箇
常用漢字
中学
部首:⽵
14画
“一箇”で始まる語句
一箇寺
一箇月
一箇人
一箇年
一箇所
一箇処
一箇火
一箇一箇
一箇聯隊