“ひとな”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一薙20.7%
人馴17.2%
一撫17.2%
人並13.8%
一舐10.3%
一嘗3.4%
人名3.4%
人慣3.4%
人懐3.4%
人泣3.4%
人無3.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
刀のさやを払って走せ向った血気の青侍二三名は、たちまちその大丸太の一薙ひとなぎに遇い、脳漿のうしょう散乱してたおれ伏します。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
応対のしとやかにして人馴ひとなれたる、服装みなりなどの当世風に貴族的なる、あるひ欧羅巴ヨウロッパ的女子職業に自営せる人などならずや。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
と、大高源吾は、ほっと胸を一撫ひとなでした心地だった。それからも、おとなうたびに、心づけを贈った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鼻と上唇の間が人並ひとなみよりは狭くて、その上唇が上方にややめくれ上った形をしていると、細かに書いてしまうと、一向初代らしい感じがしないのだが、彼女は大体その様に
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
火勢はいやが上に募って広小路をも一舐ひとなめにせん有様でありますから、師匠は一同に向い
お妾がお酌するさかずき一嘗ひとなめしつつおもむろに膳の上を眺める。
妾宅 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
長崎をふりさけむとするベンチには露西亜文字ろしあもじなど人名ひとなきざめり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
こうした邪気じゃきが予備的に私の自然を損なったためか、または私がまだ人慣ひとなれなかったためか、私は始めてそこのおじょうさんに会った時、へどもどした挨拶あいさつをしました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
が、小犬は人懐ひとなつこいのか、きもしなければみつきもしない。ただ鼻だけ鳴らしては、お蓮の手やほおめ廻すんだ。
奇怪な再会 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「うん。先生もまあ、んなにりもしない本を集めて如何どうする気かなあ。全く人泣ひとなかせだ。今これを売つて株でも買つて置くと儲かるんだが、仕方がない」
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)