人並ひとな)” の例文
旧字:人竝
八幡太郎はちまんたろうゆみ名人めいじんでしたけれど、人並ひとなみとちがったつよゆみくということはなかったのですが、為朝ためともせいたかさが七しゃくもあって、ちからつよい上に、うで人並ひとなみよりなが
鎮西八郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
鼻と上唇の間が人並ひとなみよりは狭くて、その上唇が上方にややめくれ上った形をしていると、細かに書いてしまうと、一向初代らしい感じがしないのだが、彼女は大体その様に
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
うしたからとて人並ひとなみではいに相違さういなければ、人並ひとなみことかんがへて苦勞くろうするだけ間違まちがひであろ、あゝ陰氣いんきらしいなんだとて此樣こんところつてるのか、なにしに此樣こんところたのか
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
田村麻呂たむらまろはそんなにつよい人でしたけれど、またたいそうこころのやさしい人で、人並ひとなみはずれて信心深しんじんぶかく、いつも清水きよみず観音様かんのんさまにかかさずおまいりをして、武運ぶうんいのっておりました。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)