“はてい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
波底33.3%
波威33.3%
破涕33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
甲板かんぱん自然しぜんぢ、水煙すいゑんそらぶよとえし、てい忽然こつぜん波底はていしづみ、しづんではうかび、うかんではしづみ、みぎに、ひだりに、まへに、うしろに、神出鬼沒しんしゆつきぼつ活動くわつどうは、げにや天魔てんまわざかとうたがはるゝ
ながむれば一せき海賊船かいぞくせん轟然ごうぜんたるひゞき諸共もろともに、船底せんてい微塵みぢんくだけ、潮煙てうゑんんで千尋ちひろ波底はていしづつた、つゞいておこ大紛擾だいふんじやう一艘いつそう船尾せんび逆立さかだ船頭せんとうしづんで、惡魔印あくまじるし海賊旗かいぞくきは、二度にど三度さんど
いわんやこの海底戰鬪艇かいていせんとうていは、波威はてい沈降ちんかうすること三十フヒート乃至ないし五十フヒートその潜行せんかう持續ぢぞく時間じかん無制限むせいげんであるから、一度ひとたびこの軍艇ぐんてい睥睨にらまれたる軍艦ぐんかん
アヽ降誕ト訃来ト五十四年ヲ隔ツトイヘドモソノ地相距あいへだたルコト百歩ニ過ギズ。コレガタメニ悲感更ニ深シ。浄几じょうき明水ヲ設ケ灯ヲ点ジ香ヲ破涕はていコレヲ記ス。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)