“じゆくし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
熟柿63.6%
熟視36.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
だからあの時、幼い私と、一つの熟柿じゆくしを半分わけにして、いかにも、おいしさうにして食べたお母さんの顔を思ひ出すと、何だか悲しくなつてならない。
お母さんの思ひ出 (新字旧仮名) / 土田耕平(著)
ゆびさし乍ら熟柿じゆくしくさ呼吸いきを吹いた。敬之進は何処かで飲んで来たものと見える。指された少年の群は一度にどつと声を揚げて、自分達の可傷あはれな先生を笑つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
小六ころく簡單かんたん返事へんじをしてつた。宗助そうすけまた座敷ざしき御米およねかほ熟視じゆくしした。おこしてらなくつてはわるやうな、またおこしては身體からださはやうな、分別ふんべつかないまどひいだいて腕組うでぐみをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
わたくしむねをどらしつゝその船躰せんたい熟視じゆくししたが、あゝ、くも不思議ふしぎなる、くも強堅きようけんなる、船艦せんかんがまたとあらうか、わたくしその外形ぐわいけい一見いつけんしたばかりで、じつその船形せんけい巧妙こうめう不思議ふしぎなるにおどろいたが