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こうじよう
稀に
逢ひたる
嬉しさに
左のみは
心も付かざりしが、
聟よりの
言傳とて
何一
言の
口上もなく、
無理に
笑顏は
作りながら
底に
萎れし
處のあるは
何か
子細のなくては
叶はず、
父親は
机の
上の
置時計を
眺めて
丁度イタリーの
南方リパリ
群島中の
一火山島たるヴルカーノ
島をローマの
鍛冶の
神たるヴルカーノの
工場と
考へたのと
同樣である。
或は
飮食店に
於ける
揚物の
油、
或はせるろいど
工場など、
世の
文化が
進むに
從ひ、
化學藥品にして
發火の
原因となるものが、
益殖えて
來る。