口上こうじよう)” の例文
れがうつ横町よこちやうの三五ろう口上こうじようはせよう、美登利みどりさんれにしないかとへば、あゝれは面白おもしろからう、三ちやんの口上こうじようならばれもわらはずにはられまい
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くらもちぬしにかへ長途ちやうと重荷おもにひとにゆづりて、れは此東京このとうけうを十ねんも二十ねんいますこしもはなれがたきおもひ、そは何故なにゆえひとのあらばりぬけ立派りつぱひわけの口上こうじようもあらんなれど
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
まれひたるうれしさにのみはこゝろも付かざりしが、むこよりの言傳ことづてとてなにこと口上こうじようもなく、無理むり笑顏ゑがほつくりながらそこしほれしところのあるはなに子細しさいのなくてはかなはず、父親てゝおやつくえうへ置時計おきどけいながめて
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)