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おくびやうもの
が、
作用には
何もない。
死に
對して
恐怖を
抱く
臆病者は、
左の
事を
以て
自分を
慰める
事が
出來る。
即ち
彼の
體を
將來、
草、
石、
蟇の
中に
入つて、
生活すると
云ふ
事を
以て
慰むることが
出來る。
申と
直樣縛るぞと有けるにぞ
元來臆病者のこと
故林藏はがた/\
戰ひ
齒の根も
合ず居たりしかば家主嘉右衞門は
傍より是々林藏
確乎とした
御答を申上よ
大事な儀ぢやぞと申に林藏
何と
致まして
嘘を
思切つて
坂道に
取つて
懸つた、
侠気があつたのではござらぬ、
血気に
逸つたでは
固よりない、
今申したやうではずつと
最う
悟つたやうぢやが、いやなか/\の
憶病者