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えごみ
後が
酷くつてな、
縁の
下でも
何でも
泥が一
杯で、そえつあゝ
掻ん
出せばえゝんだが
床板が
白つ
黴に
成つちやつて
此れがまだなか/\
干ねえから
疊なんざ
何時敷つ
込めるもんだか
分んねえのさ
彼は
三足目に
岸に
立つた。
岸は
畑で、
洪水が
齎した
灰に
似てる
泥が一
杯に
乾いて
大きな
龜裂を
生じて
居る。
周圍の
蜀黍が
穗を
伐られた
儘、
少し
遠くはぼんやりとして
此れも
霧の
中に
悄然と
立つて
居る。