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このあひだ
ふりがな文庫
“
此間
(
このあひだ
)” の例文
「
然
(
さ
)
うかね。
然
(
さ
)
うしよう。」
此間
(
このあひだ
)
滿谷が和田三
造
(
ざう
)
の所へ
行
(
ゆ
)
くと来合せて居たモデルに和田が「イレエ、モンペエル」と言つた
相
(
さう
)
だが
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「
此間
(
このあひだ
)
のものはもう少し待つて呉れ玉へ」と広田先生が云ふのを、「えゝ、
宜
(
よ
)
うござんす」と受けて、野々宮さんが庭から出て行つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此間
(
このあひだ
)
ロミオは
道外假面
(
だうけめん
)
を
被
(
かぶ
)
ったるまゝ
獨
(
ひと
)
り
離
(
はな
)
れて
見
(
み
)
てゐる。
其中
(
そのうち
)
ヂュリエットと一
武官
(
ナイト
)
と
手
(
て
)
を
取
(
と
)
りあうて
舞踏
(
をど
)
りはじむる。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
見廻しながら私しの年は
慥
(
たし
)
か廿二歳ばかりにて
妻
(
つま
)
は御座りましたが私しを
嫌
(
きら
)
ひ
此間
(
このあひだ
)
御出
(
おで
)
やりましたと
自他
(
じた
)
も分らぬ事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「君はいつもそのくらゐ運動してゐるといゝんだよ。あんまり図書室にばかり入り込んでゐるつて、
此間
(
このあひだ
)
寮長に
叱
(
しか
)
られたらう? ちやんと知つてるぞ」
朧夜
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
▼ もっと見る
何故
(
なぜ
)
だつて、
何
(
なん
)
なの、
此間
(
このあひだ
)
ねえ、
先生
(
せんせい
)
が
修身
(
しうしん
)
のお
談話
(
はなし
)
をしてね、
人
(
ひと
)
は
何
(
なん
)
だから、
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
に
一番
(
いちばん
)
えらいものだつて、さういつたの。
母様
(
おつかさん
)
違
(
ちが
)
つてるわねえ。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたし
)
は裏道に
廻
(
まわ
)
つて見た。
此処
(
こゝ
)
はつい
此間
(
このあひだ
)
まで
元
(
もと
)
の
停車場
(
ていしやぢやう
)
のあつた
処
(
ところ
)
で、柵などがまだ依然として残つて
居
(
ゐ
)
た。
父の墓
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
あれは。近「
絵草紙
(
ゑざうし
)
だよ。梅「へえゝ
綺麗
(
きれい
)
なもんですな、
撫
(
なで
)
て見ちやア
解
(
わか
)
りませんが、
此間
(
このあひだ
)
池田
(
いけだ
)
さんのお
嬢
(
ぢやう
)
さまが、
是
(
これ
)
は
絵
(
ゑ
)
だと
仰
(
おつ
)
しやいましたが
解
(
わか
)
りませんでした。 ...
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
起す松
唐松
(
からまつ
)
杉檜
森々
(
しん/\
)
として雨ならずとも
樹下
(
このした
)
は
濕
(
うるほ
)
ひたり
此間
(
このあひだ
)
に在りて始めて人間の氣息
緩
(
ゆるや
)
かなるべきを
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
此間
(
このあひだ
)
にチヨイ/\
飛入
(
とびいり
)
の
發掘者
(
はつくつしや
)
が
見
(
み
)
えた。
野中完一氏
(
のなかくわんいちし
)
、
伊坂梅雪氏
(
いさかばいせつし
)
、
小南保之助氏
(
こみなみやすのすけし
)
、
高橋佛骨氏等
(
たかはしぶつこつしとう
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
其間
(
そのあひだ
)
に
余程
(
よほど
)
文章を
修行
(
しゆぎやう
)
したものらしい、
増上寺
(
ぞうじやうじ
)
の
行誡上人
(
ぎやうかいしやうにん
)
や
石川鴻斎翁
(
いしかはこうさいおう
)
の所へ行つたのは
総
(
すべ
)
て
此間
(
このあひだ
)
の事で、
而
(
そ
)
して
専
(
もつぱ
)
ら
独修
(
どくしう
)
をした者と見える、
何
(
なん
)
でも
西郷隆盛論
(
さいごうたかもりろん
)
であつたか
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
三州味噌の
香気
(
にほひ
)
がどうだ、塩加減がどうだ、此の
沢庵漬
(
たくあん
)
の
切形
(
きりかた
)
は見られぬ、此の塩からを
此様
(
こんな
)
皿に入れる頓馬はない、
此間
(
このあひだ
)
買つた清水焼はどうした、又
破
(
こわ
)
したのぢやないか
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
見
(
み
)
る
目
(
め
)
がらかや
此間
(
このあひだ
)
の
事
(
こと
)
いぶかしう、
更
(
さら
)
に
霜夜
(
しもよ
)
の
御憐
(
おあは
)
れみ、
羽織
(
はをり
)
の
事
(
こと
)
さへ
取
(
とり
)
添
(
そ
)
へて、
仰々
(
ぎやう/\
)
しくも
成
(
なり
)
ぬるかな、あとなき
風
(
かぜ
)
も
騷
(
さわ
)
ぐ
世
(
よ
)
に
忍
(
しの
)
ぶが
原
(
はら
)
の
虫
(
むし
)
の
聲
(
こゑ
)
、
露
(
つゆ
)
ほどの
事
(
こと
)
あらはれて
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
可
(
か
)
なり
大
(
おほ
)
きな
物價
(
ぶつか
)
の
變動
(
へんどう
)
であつて、
此間
(
このあひだ
)
に
少
(
すく
)
なからざる
商賣
(
しやうばい
)
の
不圓滑
(
ふゑんこつ
)
を
來
(
きた
)
したのである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
アヽ、我等は何等の多幸多福ぞや、独り
此間
(
このあひだ
)
に立ちて
曾
(
かつ
)
て同胞の情感を傷害せらるゝことなきなり、
啻
(
ただ
)
に
是
(
こ
)
れのみならず、彼等の
嫉妬
(
しつと
)
、
憎悪
(
ぞうを
)
、
奪掠
(
だつりやく
)
、殺傷の不義非道に
煩悶
(
はんもん
)
苦悩するを
観
(
み
)
て
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
私
(
わたし
)
はかうして
皆
(
みな
)
さんに
圍
(
かこ
)
まれてゐると、
氣持
(
きもち
)
の
好
(
い
)
いサナトリウムにでも
來
(
き
)
てゐるやうですよ、
私達
(
わたしたち
)
の
爲
(
ため
)
にも、
病院
(
びやうゐん
)
やサナトリウムが
設備
(
せつび
)
されてゐたら、
此間
(
このあひだ
)
亡
(
な
)
くなつたSさんなんか、
屹度
(
きつと
)
また
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
一匹のこほろぎが
単衣
(
ひとえ
)
を着て、街へ仕事をさがしに出掛けましたが、
此間
(
このあひだ
)
までつとめてゐた印刷工場で足の上へ重い活字箱を落としてけがをして首を切られ、けがをした足は
益々
(
ますます
)
ふくれるばかりで
こほろぎの死
(新字旧仮名)
/
村山籌子
(著)
此間
(
このあひだ
)
も
始終
(
しゞゆう
)
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
决
(
けつ
)
して
帽子屋
(
ばうしや
)
から
眼
(
め
)
を
離
(
はな
)
されませんでした。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
原口さんは
此間
(
このあひだ
)
始終筆を
使
(
つか
)
つてゐる。美禰子の方も見てゐる。三四郎は原口さんの諸機関が一度に働らくのを目撃して恐れ入つた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから前で分ける形の中に
此間
(
このあひだ
)
コメデイ・フランセエズ座の女優で三つに分けた人があつた。
真中
(
まんなか
)
が立ててあるから
丁度
(
ちやうど
)
日本髪の様であつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
向
(
むか
)
う
側
(
がは
)
の
湯屋
(
ゆや
)
に
柳
(
やなぎ
)
がある。
此間
(
このあひだ
)
を、
男
(
をとこ
)
も
女
(
をんな
)
も、
一頃
(
ひところ
)
揃
(
そろ
)
つて、
縮緬
(
ちりめん
)
、
七子
(
なゝこ
)
、
羽二重
(
はぶたへ
)
の、
黒
(
くろ
)
の
五紋
(
いつゝもん
)
を
着
(
き
)
て
往
(
ゆ
)
き
來
(
き
)
した。
春着
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此間
(
このあひだ
)
にロミオは
假面
(
かめん
)
のまゝ、
巡禮姿
(
じゅんれいすがた
)
のまゝにてヂュリエットに
近
(
ちか
)
づき、
膝
(
ひざ
)
まづきて
恭
(
うや/\
)
しく
其
(
その
)
手
(
て
)
を
取
(
と
)
る。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
交
(
かは
)
して別かれしにあらずや然るに
此間
(
このあひだ
)
も六兩三分と言金子を譯なく
合力
(
がふりよく
)
し間もなく其形にて又々
參
(
まゐ
)
らるゝ事餘りなる仕方なり
昔
(
むか
)
しとは違ひ今は
眞面目
(
まじめ
)
に日々の
利潤
(
りじゆん
)
を以て其日を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
夫
(
そ
)
れでは
何
(
なに
)
か
理屈
(
りくつ
)
があつて
止
(
や
)
むを
得
(
ゑ
)
ずといふ
次第
(
しだい
)
か、
苦
(
くる
)
しからずは
承
(
うけたまは
)
りたい
物
(
もの
)
だといふに、
貴君
(
あなた
)
には
聞
(
き
)
いて
頂
(
いたゝ
)
かうと
此間
(
このあひだ
)
から
思
(
おも
)
ひました、だけれども
今夜
(
こんや
)
はいけませぬ、
何故
(
なぜ
)
/\
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此間
(
このあひだ
)
に
望蜀生
(
ばうしよくせい
)
は
故郷
(
こきやう
)
に
歸
(
かへ
)
り、
活東子
(
くわつとうし
)
又
(
また
)
振
(
ふる
)
はず。
幻花子
(
げんくわし
)
は
相變
(
あひかは
)
らず。それと
玄川子
(
げんせんし
)
を
相手
(
あひて
)
にぼつ/\
掘
(
ほ
)
つて、
到頭
(
たうとう
)
鷄屋
(
とりや
)
の
塀
(
へい
)
の
下
(
した
)
まで
掘
(
ほ
)
り
進
(
すゝ
)
んで、
夏
(
なつ
)
の
頃
(
ころ
)
には
既
(
も
)
う
手
(
て
)
の
附
(
つ
)
け
場所
(
ばしよ
)
が
無
(
な
)
くなつた。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
いやア……
大層
(
たいそう
)
広
(
ひろ
)
い……こりやア
原
(
はら
)
のやうな
処
(
ところ
)
だ……おや
僕
(
ぼく
)
は
丈夫
(
ぢやうぶ
)
だが、
此間
(
このあひだ
)
佐藤進先生
(
さとうすゝむせんせい
)
が
迚
(
とて
)
もむづかしいと
云
(
い
)
つたよ、それから
妻
(
さい
)
が心配して、
橋本先生
(
はしもとせんせい
)
に
診
(
み
)
て
貰
(
もら
)
つたら
何
(
ど
)
うだらうと
云
(
い
)
ふから
明治の地獄
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
爭ひ兄弟
親子
(
しんし
)
疎遠になり
敵
(
かたき
)
同士と摺れ合ふよりは幸福なりなど思ひつゞくるうち
鵜沼
(
うぬま
)
も過ぎて
加納
(
かなふ
)
に着きしが
此間
(
このあひだ
)
の景色川あり山あり觀音坂といふ邊など誠に面白き所なりし岐阜の
停車塲
(
ステーシヨン
)
の手前の料理店に
入
(
い
)
りて晝を
木曽道中記
(旧字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
此間
(
このあひだ
)
御光さんの
御母
(
おつか
)
さんが
来
(
き
)
て、三四郎さんも近々大学を卒業なさる事だが、卒業したら
宅
(
うち
)
の
娘
(
むすめ
)
を貰つて呉れまいかと云ふ相談であつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此間
(
このあひだ
)
某新聞が男の
髭
(
ひげ
)
に対する女の感想を知名な女優から聞いて発表したが、大抵無用な物だと云ふ意見に一致して居た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
西
(
にし
)
は
神通川
(
じんつうがは
)
の
堤防
(
ていばう
)
を
以
(
もつ
)
て
劃
(
かぎり
)
とし、
東
(
ひがし
)
は
町盡
(
まちはづれ
)
の
樹林
(
じゆりん
)
境
(
さかひ
)
を
爲
(
な
)
し、
南
(
みなみ
)
は
海
(
うみ
)
に
到
(
いた
)
りて
盡
(
つ
)
き、
北
(
きた
)
は
立山
(
りふざん
)
の
麓
(
ふもと
)
に
終
(
をは
)
る。
此間
(
このあひだ
)
十
里
(
り
)
見通
(
みとほ
)
しの
原野
(
げんや
)
にして、
山水
(
さんすゐ
)
の
佳景
(
かけい
)
いふべからず。
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
母親
(
はゝおや
)
はほた/\として
茶
(
ちや
)
を
進
(
すゝ
)
めながら、
亥之
(
ゐの
)
は
今
(
いま
)
しがた
夜學
(
やがく
)
に
出
(
で
)
て
行
(
ゆき
)
ました、あれもお
前
(
まへ
)
お
蔭
(
かげ
)
さまで
此間
(
このあひだ
)
は
昇給
(
しようきう
)
させて
頂
(
いたゞ
)
いたし、
課長樣
(
くわちやうさま
)
が
可愛
(
かわゆ
)
がつて
下
(
くだ
)
さるので
何
(
ど
)
れ
位
(
くらゐ
)
心丈夫
(
こゝろじようぶ
)
であらう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
若
(
も
)
し
生
(
い
)
きてゐるやうなら……
時
(
とき
)
も
時
(
とき
)
、
處
(
ところ
)
も
處
(
ところ
)
、
墓
(
はか
)
も
墓
(
はか
)
、
年
(
とし
)
を
經
(
へ
)
た
埋葬所
(
はふむりどころ
)
、
何
(
なん
)
百
年
(
ねん
)
の
其間
(
そのあひだ
)
の
先祖
(
せんぞ
)
の
骨
(
ほね
)
が
填充
(
つま
)
ってあり、まだ
此間
(
このあひだ
)
埋
(
う
)
めたばかりの
彼
(
あ
)
のチッバルトも
血
(
ち
)
まぶれの
墓衣
(
はかぎ
)
のまゝで
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
乞ふに内にては
大聲
(
おほごゑ
)
あげどうれと云て立出る長庵を見るよりはやく千太郎是は/\
伯父樣
(
をぢさま
)
此間
(
このあひだ
)
は御出下され
段々
(
だん/\
)
の御世話忝けなし偖御約束の通り今日
參上
(
さんじやう
)
致せしと云ふに長庵
最
(
いと
)
不審
(
いぶか
)
しげに
小首
(
こくび
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
へえゝ……
種々
(
いろん
)
な
物
(
もの
)
が
有
(
あ
)
りますな、
此間
(
このあひだ
)
ね
山田
(
やまだ
)
さんの
坊
(
ぼつ
)
ちやんが
持
(
も
)
つていらしつたのを
私
(
わたし
)
が
握
(
にぎ
)
つたら、
玩具
(
おもちや
)
だと
仰
(
おつ
)
しやいましたが、
成程
(
なるほど
)
さま/″\の
物
(
もの
)
が
有
(
あ
)
りますよ、
此方
(
こつち
)
も
玩具
(
おもちや
)
……
彼方
(
あつち
)
も
玩具
(
おもちや
)
心眼
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
此間
(
このあひだ
)
生
(
うま
)
れた
末
(
すゑ
)
の
男
(
をとこ
)
の
子
(
こ
)
が、
乳
(
ちゝ
)
を
呑
(
の
)
む
時刻
(
じこく
)
が
來
(
き
)
たものか、
眼
(
め
)
を
覺
(
さ
)
まして
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
したため、
賊
(
ぞく
)
は
書齋
(
しよさい
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
あ
)
けて
庭
(
には
)
へ
逃
(
に
)
げたらしい。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
名案
(
めいあん
)
はないかな——こゝへ、
下町
(
したまち
)
の
姉
(
ねえ
)
さんで、つい
此間
(
このあひだ
)
まで、
震災
(
しんさい
)
のために
逃
(
に
)
げて
居
(
ゐ
)
た……
元來
(
ぐわんらい
)
、
靜岡
(
しづをか
)
には
親戚
(
しんせき
)
があつて、
地
(
ち
)
の
理
(
り
)
に
明
(
あきら
)
かな、
粹
(
いき
)
な
軍師
(
ぐんし
)
が
顯
(
あら
)
はれた。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
此
(
この
)
美登利
(
みどり
)
さんは
何
(
なに
)
を
遊
(
あそ
)
んで
居
(
ゐ
)
る、
雨
(
あめ
)
の
降
(
ふ
)
るに
表
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
ての
惡戯
(
いたづら
)
は
成
(
な
)
りませぬ、
又
(
また
)
此間
(
このあひだ
)
のやうに
風引
(
かぜひ
)
かうぞと
呼立
(
よびた
)
てられるに、はい
今
(
いま
)
行
(
ゆき
)
ますと
大
(
おゝ
)
きく
言
(
い
)
ひて、
其聲
(
そのこゑ
)
信如
(
しんによ
)
に
聞
(
きこ
)
えしを
耻
(
はづ
)
かしく
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此間
(
このあひだ
)
或
(
ある
)
雑誌で「力」といふ観念に
就
(
つい
)
て独仏両者を比較したパラントといふ人の文章を読んだ時、自分は
益
(
ます/\
)
其感を深くした。
点頭録
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども
鰤
(
ぶり
)
ではたしかにない、あの
腹
(
はら
)
のふくれた
様子
(
やうす
)
といつたら、
宛然
(
まるで
)
、
鮟鱇
(
あんかう
)
に
肖
(
に
)
て
居
(
ゐ
)
るので、
私
(
わたし
)
は
蔭
(
かげ
)
じやあ
鮟鱇博士
(
あんかうはかせ
)
とさういひますワ。
此間
(
このあひだ
)
も
学校
(
がくかう
)
へ
参観
(
さんくわん
)
に
来
(
き
)
たことがある。
化鳥
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
此間
(
このあひだ
)
から
何
(
なに
)
かと
奧齒
(
おくば
)
に
物
(
もの
)
の
挾
(
はさ
)
まりて一々
心
(
こゝろ
)
にかゝる
事
(
こと
)
多
(
おほ
)
し、
人
(
ひと
)
には
取違
(
とりちが
)
へもある
物
(
もの
)
、
何
(
なに
)
をか
下心
(
したこゝろ
)
に
含
(
ふく
)
んで
隱
(
かく
)
しだてゞは
無
(
な
)
いか、
此間
(
このあひだ
)
の
小梅
(
こうめ
)
の
事
(
こと
)
、あれでは
無
(
な
)
いかな、
夫
(
そ
)
れならば
大間違
(
おほまちが
)
ひの
上
(
うへ
)
なし
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
玄関前に、
此間
(
このあひだ
)
引越のときに
解
(
ほど
)
いた
菰包
(
こもづゝみ
)
の
藁屑
(
わらくづ
)
がまだ
零
(
こぼ
)
れてゐた。
座敷
(
ざしき
)
へ
通
(
とほ
)
ると、平岡は机の
前
(
まへ
)
へ
坐
(
すは
)
つて、
長
(
なが
)
い
手紙
(
てがみ
)
を
書
(
か
)
き
掛
(
か
)
けてゐる所であつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此間
(
このあひだ
)
見着
(
みつ
)
けた時には、腹は立たないで涙が出たぞ
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
此間
(
このあひだ
)
の
公案
(
こうあん
)
に
對
(
たい
)
して、
自分
(
じぶん
)
丈
(
だけ
)
の
解答
(
かいたふ
)
は
準備
(
じゆんび
)
してゐた。けれども、それは
甚
(
はなは
)
だ
覺束
(
おぼつか
)
ない
薄手
(
うすで
)
のものに
過
(
す
)
ぎなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此間
(
このあひだ
)
も
原
(
はら
)
の
御母
(
おつか
)
さんが
來
(
き
)
て、まあ
貴方
(
あなた
)
程
(
ほど
)
氣樂
(
きらく
)
な
方
(
かた
)
はない、
何時
(
いつ
)
來
(
き
)
て
見
(
み
)
ても
萬年青
(
おもと
)
の
葉
(
は
)
ばかり
丹念
(
たんねん
)
に
洗
(
あら
)
つてゐるつてね。
眞逆
(
まさか
)
左
(
さ
)
うでも
無
(
な
)
いんですけれども
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうかして、此東京に
落付
(
おちつ
)
いてゐられる様にして
遣
(
や
)
りたい気がする。代助はもう一返
嫂
(
あによめ
)
に相談して、
此間
(
このあひだ
)
の
金
(
かね
)
を調達する工面をして見やうかと思つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は今更
兄
(
あに
)
に向つて、自分の
立場
(
たちば
)
を説明する勇気もなかつた。
彼
(
かれ
)
はつい
此間
(
このあひだ
)
迄全く
兄
(
あに
)
と同意見であつたのである。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
此
漢検準1級
部首:⽌
6画
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
“此間”で始まる語句
此間中
此間違