鮮紅からくれなゐ)” の例文
いまかんがへると、それが矢張やつぱり、あの先刻さつきだつたかもれません。おなかをりかぜのやうに吹亂ふきみだれたはななかへ、ゆき姿すがた素直まつすぐつた。が、なめらかなむねちゝしたに、ほしなるがごと一雫ひとしづく鮮紅からくれなゐ
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鮮紅からくれなゐと、朱鷺ときと、桃色もゝいろと、薄紅梅うすこうばいと、と、しゆと、くすんだかばと、えたと、さつ點滴したゝべにと、むらさききり山氣さんきして、玲瓏れいろうとしてうつる、窓々まど/\あたかにし田毎たごとつきのやうな汽車きしやなかから
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)