騒動そうどう)” の例文
旧字:騷動
この騒動そうどうの原因は、すべて喬之助妻園絵こと伊豆屋のお園から出ているのだから、伊豆屋をもこころよく思っていないことは勿論である。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
堀田がおれを煽動して騒動そうどうを大きくしたと云う意味なのか、あるいは堀田が生徒を煽動しておれをいじめたと云うのか方角がわからない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これの事情をもってかんがうるに、今の成行きにて事変なければ格別なれども、万に一も世間に騒動そうどうを生じて、その余波近く旧藩地の隣傍に及ぶこともあらば
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
はたして外国人に干渉かんしょうの意あらんにはこの機会きかいこそいっすべからざるはずなるに、しかるに当時外人の挙動きょどうを見れば、別にことなりたる様子ようすもなく、長州騒動そうどう沙汰さたのごとき
たださえ食物が足りなくて戦争だのいろいろ騒動そうどうが起ってるのに更にそれを半分に縮減しようというのはどんなほかに立派な理くつがあっても正気の沙汰さたと思われない。
ビジテリアン大祭 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その餌にすべき小鳥やけだものをりにいって、ちょうど、陣馬じんばへ帰ってきた時に、今夜の騒動そうどうが起ったので、それなりにほうっておかれたクロは、さだめしえていたであろうと思われる。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いのりのあとで、ひと騒動そうどうもちあがった。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
「こんな騒動そうどうになりましたのも」と
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
元日早々から、いまだに江戸全体は引っくり返るような騒動そうどうをしていた。何しろ、殿中の刃傷にんじょうである。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
中学の教師堀田某ほったぼうと、近頃ちかごろ東京から赴任ふにんした生意気なる某とが、順良なる生徒を使嗾しそうしてこの騒動そうどう喚起かんきせるのみならず、両人は現場にあって生徒を指揮したる上
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
或は西南の騒動そうどうは、一個の臣民しんみんたる西郷が正統せいとうの政府に対して叛乱はんらんくわだてたるものに過ぎざれども、戊辰ぼしんへんは京都の政府と江戸の政府と対立たいりつしてあたかも両政府のあらそいなれば
それからまた床へはいって横になったら、さっきの騒動そうどうで蚊帳の中はぶんぶんうなっている。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
右のごとく長州の騒動そうどうに対して痛痒つうようあいかんせざりしに反し、官軍の東下に引続ひきつづき奥羽の戦争せんそうに付き横浜外人中に一方ならぬ恐惶きょうこうを起したるその次第しだいは、中国辺にいかなる騒乱そうらんあるも