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青褪
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あおざ
ふりがな文庫
“
青褪
(
あおざ
)” の例文
この時、またも闇の中に、ポツリと一点燐光のような
青褪
(
あおざ
)
めた円光が浮かんだが、図太い男の
破鐘
(
われがね
)
声がすぐとそこから聞こえて来た。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
下唇をギリギリと噛んだまま見る見るうちに
青褪
(
あおざ
)
めて行くうちに、白い眼をすこしばかり見開いたと思うと、ガックリとあおむいた。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
見ると紳士の顔にもしたたか泥が付いて、恐ろしい
争闘
(
いさかい
)
でもした跡のよう、顔は
青褪
(
あおざ
)
めて、唇には血の気の色もない、俯向いてきまりが悪そうに
萎
(
しお
)
れている。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
都会の建物の死面に女達は浮気な影をうつして、唇の
封臘
(
ふうろう
)
をとると一人の女が
青褪
(
あおざ
)
めた朋輩に話しかけた。
女百貨店
(新字新仮名)
/
吉行エイスケ
(著)
鬢
(
びん
)
のほつれ毛
青褪
(
あおざ
)
めた頬を撫で、
梨花一枝
(
りかいっし
)
雨を帯びたる
風情
(
ふぜい
)
にて、汽車を
出
(
い
)
でて、婿君に手を引かれて歩く足さえ
捗
(
はか
)
どらず、
雪駄
(
せった
)
ばかりはチャラチャラと勇ましけれど
モルガンお雪
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
この大空襲の報を耳にした帝都の住民の顔色は、其の場に紙の如く
青褪
(
あおざ
)
めたであろうか。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「真実に大丈夫でしょうか」浅田は妻の
青褪
(
あおざ
)
めた顔を見て、もう一度訊ねた。
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
青褪
(
あおざ
)
めた顔には額まで髪が
掩被
(
おっかぶさ
)
って眉毛は太く眼の光は異様に輝いていた。
北の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
山本医師の顔は土のように
青褪
(
あおざ
)
め、額から汗がばらばら流れた。
愚人の毒
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
ピタリと指したのは、捨吉の
青褪
(
あおざ
)
めた顔です。
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、娘は
青褪
(
あおざ
)
めた
額
(
ひたい
)
を
擡
(
もた
)
げて云った。
刺青
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
如何に/\と詰め寄れば、さしもに剛気無敵の喜三郎も、顔色
青褪
(
あおざ
)
め
眼
(
まなこ
)
血走り、
白汗
(
はっかん
)
を流して
喘
(
あえ
)
ぐばかりなりしが、
流石
(
さすが
)
に積年の
業力
(
ごうりき
)
尽きずやありけむ。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
帆村は死人のように
青褪
(
あおざ
)
め、この奇妙な分捕品を気味わるげに見入った。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と云いさして私は
口籠
(
くちご
)
もった。形容の出来ない昂奮に全身が
青褪
(
あおざ
)
めたように感じつつ
辛
(
かろ
)
うじて唇を動かした。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
と云い云い母親は、こころもち
青褪
(
あおざ
)
めた顔をして、チエ子の大きな眼をイマイマしそうに見つめていたが、やがて、急にわざとらしくニッコリして手を打った。
人の顔
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
事務室の方向を鼈甲縁越しにジイッと見ていたが、そのまま非常に緊張した、
青褪
(
あおざ
)
めた顔をして云った。
オンチ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
青眼先生はここまで云って来ますと、忽ちブルブルと身ぶるいをして
屹
(
きっ
)
と王宮の方を眺めました。その顔は見る見る
青褪
(
あおざ
)
めて、眉を釣り上げ唇を噛み締めました。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
青褪
(
あおざ
)
めた月の光りと、屍体の山と、たまらない石油の異臭……屍臭……。
戦場
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
睦田老人は病人のように
青褪
(
あおざ
)
めたまま事務室をよろめき出た。
老巡査
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし彼はモウ汗も出ないほど
青褪
(
あおざ
)
め切っていた。
白菊
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
褪
漢検1級
部首:⾐
15画
“青”で始まる語句
青
青年
青々
青苔
青柳
青葉
青梅
青山
青白
青銅