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雪消
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ゆきげ
ふりがな文庫
“
雪消
(
ゆきげ
)” の例文
平次が行つた時は道だけは
泥濘
(
ぬかるみ
)
をこね返してをりましたが、田圃も庭も雪に埋もれて、
南庇
(
みなみびさし
)
から
雪消
(
ゆきげ
)
の
雫
(
しづく
)
がせはしく落ちてゐる風情でした。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あのつんとすまし、ぬけぬけと白膚を天に
聳
(
そび
)
え立たしている伯母の山が、これだけは拭えぬ心の
染班
(
しみ
)
のように
雪消
(
ゆきげ
)
の形に残す。
富士
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
村端れの溝に芹の葉
一片
(
ひとつ
)
青んでゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、
雪消
(
ゆきげ
)
の路の
泥濘
(
ぬかるみ
)
の處々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。
足跡
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
出發前、その旅先の
苫小牧
(
とまこまい
)
でと
計畫
(
けいくわく
)
してゐた
處女作
(
しよぢよさく
)
「
雪消
(
ゆきげ
)
の日まで」は
可成
(
かな
)
りな苦心努力にも拘らず、遂に一部分をさへ書き上げることが出來なかつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
春にいたれば長じて三寸あまりになる、これをばかならず
捕
(
と
)
らぬ事とす。此
子鮏
(
こさけ
)
雪消
(
ゆきげ
)
の水に
随
(
したが
)
ひて海に入る。海に入りてのち
裂
(
さけ
)
たる
腹
(
はら
)
合
(
がつ
)
して
腸
(
ちやう
)
をなすと
漁父
(
ぎよふ
)
がいへり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
▼ もっと見る
エルベがは上流の
雪消
(
ゆきげ
)
にはちす葉の如き氷塊、みどりの波にただよふとき、王宮の新年はなばなしく、足もと
危
(
あやう
)
き
蝋磨
(
ろうみが
)
きの
寄木
(
よせぎ
)
を
践
(
ふ
)
み、国王のおん前近う進みて、正服うるはしき立姿を拝し
文づかひ
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
何処
(
どこ
)
にか、
雪消
(
ゆきげ
)
の匂いを残しながら、梅も、桜も、桃も、
山吹
(
やまぶき
)
さえも咲き出して、
蛙
(
かわず
)
の声もきこえてくれば、一足外へ出れば、野では
雉子
(
きじ
)
もケンケンと叫び、
雲雀
(
ひばり
)
はせわしなくかけ廻っているという
田沢稲船
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
痩屈
(
やさか
)
み冷えしわが胸は、
雪消
(
ゆきげ
)
に濕り、冬過ぎて
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
雪消
(
ゆきげ
)
の岡のせせらぎや
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
平次が行った時は道だけは
泥濘
(
ぬかるみ
)
をこね返しておりましたが、田圃も庭も雪に埋もれて、
南庇
(
みなみびさし
)
から
雪消
(
ゆきげ
)
の
雫
(
しずく
)
がせわしく落ちている風情でした。
銭形平次捕物控:117 雪の夜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
村端
(
むらはづれ
)
の溝に
芹
(
せり
)
の葉
一片
(
ひとつ
)
青
(
あを
)
んではゐないが、晴れた空はそことなく霞んで、
雪消
(
ゆきげ
)
の路の
泥濘
(
ぬかるみ
)
の処々乾きかゝつた上を、春めいた風が薄ら温かく吹いてゐた。
足跡
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
それはその半年ほど前からひそかに想をかまへてゐた「
雪消
(
ゆきげ
)
の日まで」と
云
(
い
)
ふ百枚ばかりの
處女作
(
しよぢよさく
)
をここで書き上げようと
云
(
い
)
ふ希望が、私の全身を
刺戟
(
しげき
)
してゐたからだつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
エルベがわ上流の
雪消
(
ゆきげ
)
にはちす葉のごとき氷塊、みどりの波にただようとき、王宮の新年はなばなしく、足もと危うき
蝋磨
(
ろうみが
)
きの
寄木
(
よせき
)
をふみ、国王のおん前近う進みて、正服うるわしき立ち姿を拝し
文づかい
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
雪
常用漢字
小2
部首:⾬
11画
消
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
“雪”で始まる語句
雪
雪崩
雪駄
雪洞
雪解
雪隠
雪白
雪踏
雪舟
雪沓