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れいぞく
ふりがな文庫
“
隷属
(
れいぞく
)” の例文
で、唇をゆがめた時に、明るい半面に
隷属
(
れいぞく
)
している、前歯の四本だけが光って見えたが、その表情には用心深いところがあった。
娘煙術師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ところで降人に出た
劉禅
(
りゅうぜん
)
の余生はどうなって行ったろう。魏へ移った旧蜀臣は、おおむね魏から新しい官職を与えられて、その
隷属
(
れいぞく
)
に甘んじた。
三国志:12 篇外余録
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隷属
(
れいぞく
)
は、決して
光榮
(
くわうえい
)
ある
生存
(
せいぞん
)
じやないからな。身分や家柄………其様なものは、俺といふ個人に取つて、何等の必要がある。第一體には
變
(
か
)
へられん!
平民の娘
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
だから君は今後は単なる道楽の給費生ではなくて、商会の技師格として、事業の目的に
隷属
(
れいぞく
)
して働いてもらいたい、給料として送金は増すことにする——
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
だが、小倉は、自分の位置を、高めることによって、酷使と
隷属
(
れいぞく
)
と侮辱とから、
逃
(
のが
)
れようとしたのであった。
海に生くる人々
(新字新仮名)
/
葉山嘉樹
(著)
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北方の諸政府に
隷属
(
れいぞく
)
服従していっそう
煩雑
(
はんざつ
)
をきたした、フランスの国民的伝統への表面上の復帰。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
獅子をも
斃
(
たお
)
す白光鋭利の
牙
(
きば
)
を持ちながら、
懶惰
(
らんだ
)
無頼
(
ぶらい
)
の腐りはてたいやしい根性をはばからず発揮し、一片の
矜持
(
きょうじ
)
なく、てもなく人間界に屈服し、
隷属
(
れいぞく
)
し、同族互いに敵視して
畜犬談:―伊馬鵜平君に与える―
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
当時筑摩家は
門地
(
もんち
)
も高く、数ヶ国を領していた大々名であったから、屈辱的な降参ではない迄も、決して対等の和睦をしたのではなく、実は一閑斎の
麾下
(
きか
)
に
隷属
(
れいぞく
)
したのであろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「なるほど仲居は茶屋に
隷属
(
れいぞく
)
するもので、遣手は娼家に
起臥
(
きが
)
する者ですね。次に見番と云うのは人間ですかまたは一定の場所を
指
(
さ
)
すのですか、もし人間とすれば男ですか女ですか」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ブルジョアに
隷属
(
れいぞく
)
する
彼
(
かれ
)
らが、よどんだ
沼
(
ぬま
)
の
中
(
なか
)
につながれた
材木
(
ざいもく
)
であり、
縛
(
しば
)
ったなわもろとも、いつか
腐
(
くさ
)
る
運命
(
うんめい
)
にあるなら、
彼
(
かれ
)
は、さながら
激流
(
げきりゅう
)
の
彼方
(
かなた
)
の
岸
(
きし
)
、
此方
(
こなた
)
の
岩角
(
いわかど
)
と
衝突
(
しょうとつ
)
しながら
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
フランス大革命を頂点とする十八世紀より十九世紀への一大転向、
隷属
(
れいぞく
)
的封建制度の瓦解と自由統一的立憲制度の成育とは、新世界をもたらすものと考えられていた。そして実際新世界は開かれた。
ジャン・クリストフ:01 序
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
もとより三河は、きのうまで、今川家に
隷属
(
れいぞく
)
していた弱国である。尾張は小なりといえども、強大今川に致命的な一撃を与えて、天下の群雄に
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
甲をもって乙に
隷属
(
れいぞく
)
すべき理由はどうしても発見できんのであります。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その理由は、さきにわが真田家は、上杉家に
隷属
(
れいぞく
)
し、その
誼
(
よし
)
みを破って、北条家に
奔
(
はし
)
り、また徳川家の
与党
(
よとう
)
に変ったということでございましょう。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ほとんど、今川家の
隷属
(
れいぞく
)
として、辛くも息をつないでいる三河譜代の家臣たちも、何年ぶりかで帰国する若殿を迎え、うれしさやら口惜しさやらで
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この時から、柳生一族は、筒井の
隷属
(
れいぞく
)
から離れた。そして松永
弾正
(
だんじょう
)
の七手の
旗頭
(
はたがしら
)
として重用された。
剣の四君子:02 柳生石舟斎
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
誰もが、これ以上、大国の
隷属
(
れいぞく
)
あつかいに
頤使
(
いし
)
されるよりは——と、堪忍の緒をやぶった顔つきだ。
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“隷属”の意味
《名詞》
他に支配され言いなりにされること。
配下。部下。
(出典:Wiktionary)
隷
常用漢字
中学
部首:⾪
16画
属
常用漢字
小5
部首:⼫
12画
“隷属”で始まる語句
隷属的