ほと)” の例文
かれ殺さえましし神の身にれる物は、頭に生り、二つの目に稻種いなだね生り、二つの耳に粟生り、鼻に小豆あづき生り、ほとに麥生り、尻に大豆まめ生りき。
大物主神おおものぬしのかみ顔を隠して夜のみ倭迹々姫命やまとととびめのみことに通い、命その本形を示せと請うと小蛇となり、姫驚き叫びしを不快で人形にかえり、愛想かしを述べて御諸山みもろやまに登り去り、姫悔いてはしほといてこう
城ヶ島の女子をなごうららに裸となり見ればほと出しよく寝たるかも
雲母集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
天の香山の小竹葉ささば手草たぐさに結ひて一八、天の石屋戸いはやど覆槽うけ伏せて一九蹈みとどろこし、神懸かむがかりして、胷乳むなちを掛き出で、ひもほとに押し垂りき。
老の息かくて絶えなむ女童めわらはほとどころさへも知りきと泣くを
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
次にほとに成りませる神の名は、闇山津見くらやまつみの神。次に左の手に成りませる神の名は、志藝山津見しぎやまつみの神。次に右の手に成りませる神の名は、羽山津美はやまつみの神。
執念しゆうねん白蛇しらへび死んだ女王のほとに入る、といの
真珠抄 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
機織女はたおりめが驚いて機織りに使う板でほとをついて死んでしまいました。
眞拆まさきかずらかずらとして、天のカグ山の小竹ささの葉をたばねて手に持ち、天照らす大神のお隱れになつた岩戸の前におけせて踏み鳴らし神懸かみがかりして裳の紐をほとに垂らしましたので、天の世界が鳴りひびいて