関東かんとう)” の例文
旧字:關東
ここから関東かんとう平野を一気に千メートル登ろうという碓氷峠の、アプト式鉄道の小刻みな振動を背筋に感じながら、私は読みさしの本をわきに伏せた。
浴槽 (新字新仮名) / 大坪砂男(著)
がつ一日ついたち大地震おおじしんのために、東京とうきょう横浜よこはま、この二つのおおきな都市としをはじめ、関東かんとうたい建物たてものは、あるいはこわれたり、あるいはけたりしてしまいました。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なにをからすはいっているのからんとおもって、童子どうじれいのふしぎなたまみみてますと、このからすはひがしほうから関東かんとうのからすと、西にしほうから京都きょうとのからすでした。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
はやくも見こんでいるとおり、後年太閤たいこう阿弥陀峰頭あみだほうとうの土としてのち、孤立こりつ大坂城おおさかじょうをひとりで背負せおって、関東かんとう老獪将軍ろうかいしょうぐん大御所おおごしょきもをしばしばやした、稀世きせい大軍師だいぐんし真田幸村さなだゆきむらとは
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関東かんとうそらは、これから青空あおぞらつづきだといたが、日本海岸にほんかいがんと、太平洋岸たいへいようがんとでは、それほど相違そういがあるのだろうか。
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
京都きょうとのからすは関東かんとうのからすにかって、このごろみやこはなしをしました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
そこで京都きょうとのからすは、関東かんとうのからすとかお見合みあわせて、あざけるように、かあかあとわらいました。そしてまた関東かんとうのからすはひがしへ、京都きょうとのからすは西にしへ、わかれてんでいってしまいました。
葛の葉狐 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)