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鐵格子
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てつがうし
後世地上に
來るべき
善美なる
生活のこと、
自分をして一
分毎にも
壓制者の
殘忍、
愚鈍を
憤らしむる
所の、
窓の
鐵格子のことなどである。
二十
間にも
餘る
巨大な
建物は、
見るから
毒々しい
栗色のペンキで
塗られ、
窓は岩
疊な
鐵格子、
其でも
尚だ
氣が
濟まぬと
見えて、
其の
内側には
細い、
此も
鐵製の
網が
張詰めてある。
と、
彼は
思ひ
來り、
更に
又彼の六
號室の
鐵格子の
中で、ニキタが
患者等を
打毆つてゐる
事、モイセイカが
町に
行つては、
施を
請ふてゐる
姿などを
思ひ
出す。
窓は
内側から
見惡く
鐵格子を
嵌められ、
床は
白ちやけて、そゝくれ
立つてゐる。