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鋸
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のこ
ふりがな文庫
“
鋸
(
のこ
)” の例文
どこからか杉材を見つけて来て、足型ともん数に合せ、
鉈
(
なた
)
や
鋸
(
のこ
)
や小刀で、まず靴の底から作り初める。サンダルの底部と思えば間違いはない。
忘れ残りの記:――四半自叙伝――
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
りっぱにお役に立てまする——立派だとも——
鍬
(
くわ
)
をふりあげたり、
鋸
(
のこ
)
の目を立てたりすることよりは、必ず手際よくやるわい
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
涙を惜しげもなく、ほろほろとこぼして泣きわめきながら、武士の腰のもの二つを
鋸
(
のこ
)
で引いても放さないような意気込みで、しっかりと抱え込んで
大菩薩峠:36 新月の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
忍び返しを越す工夫さへ見付かれば、あとはもう文句はない、——尤も
鋸
(
のこ
)
で切る
術
(
て
)
は考へなかつたよ、恐ろしい奴だ
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
涼しい風が薄寒い秋風に変って、ここの柳の葉もそろそろ散り始める頃、むざんの
斧
(
おの
)
や
鋸
(
のこ
)
がこの古木に
祟
(
たた
)
って、
浄瑠璃
(
じょうるり
)
に聞き慣れている「
丗三間堂棟由来
(
さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい
)
」
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
一日に三匁とる職人が
逆目
(
さかめ
)
に
鉋
(
かんな
)
をかけて恥ずかしいとも思わない、ひどいのになると尺を当てる手間を惜しんで押っ付けて
鋸
(
のこ
)
を使うんだ、そのうえ云いぐさが
柳橋物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
乾いた落葉が、
遽
(
あわ
)
てゝカラカラと舞い
奔
(
はし
)
る。箒を
逆
(
さかさ
)
に立てた様な雑木山に、長い
鋸
(
のこ
)
を持った
樵夫
(
さきやま
)
が入って、
啣
(
くわ
)
え
煙管
(
ぎせる
)
で
楢
(
なら
)
や
櫟
(
くぬぎ
)
を薪に
伐
(
き
)
る。
海苔疎朶
(
のりそだ
)
を積んだ車が村を出る。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
これだけが誰にでも分つて呉れゝば塔も建てなくてもよいのです、どうせ馬鹿なのつそり十兵衞は死んでもよいのでござりまする、腰抜
鋸
(
のこ
)
のやうに生て居たくもないのですは
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
「きゅう、きれきれきれきれきれ。これは機械
鋸
(
のこ
)
が木を
挽
(
ひ
)
く音」
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
大きな
鋸
(
のこ
)
を押したり引いたり
ランボオ詩集≪学校時代の詩≫
(新字旧仮名)
/
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー
(著)
窓越しの裁断機や
鋸
(
のこ
)
の歌も
同志下司順吉
(新字新仮名)
/
槙村浩
(著)
提灯を突き付けると、成程床板には二尺四方ほどの
鋸
(
のこ
)
が入つて、何にかの仕掛けで開くやうになつて居るのが、嚴重に締つてゐて、叩いても
踏
(
ふ
)
んでも開きさうになかつたのです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
納屋の角には六三郎が来ない昔から一本の桜が植えてあって、今はかなりの大木になっていた。六三郎はこの桜の下で
鉋
(
かんな
)
や
鋸
(
のこ
)
をつかって、春が来るごとに花の白い梢を仰ぐのであった。
心中浪華の春雨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「
鋸
(
のこ
)
でがんす、鋸、刃もの、——都合によっては鋸の目立ても教えたり」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
提灯を突き付けると、なるほど床板には二尺四方ほどの
鋸
(
のこ
)
が入って、何かの仕掛けで開くようになっているのが、厳重に締っていて、叩いても踏んでも開きそうになかったのです。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
差換
(
さしかへ
)
の一と腰は一年も前に質流れになつて、あとは刄物と言へば、お勝手の菜切庖丁だけ、それも男世帶で
鰹節
(
かつをぶし
)
も削れば、時には薪も割る、まるで
鋸
(
のこ
)
のやうになつて居るよ、いやもう
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
植木屋の
鋸
(
のこ
)
に従って切倒される竹からは、
贋造
(
がんぞう
)
の小判がゾロゾロと出て来ました。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
植木屋の
鋸
(
のこ
)
に從つて切倒される竹からは、
贋造
(
がんざう
)
の小判がゾロゾロと出て來ました。
銭形平次捕物控:141 二枚の小判
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「匂ひを嗅いで見ろ、新しい木の匂ひがするだらう。泥も新しいぢやないか、その材木で物干臺から物干臺に渡つて菊屋に行き、歸つて來てすぐ
鋸
(
のこ
)
で引切つたのだ。恐ろしく智惠の働く野郎だ」
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
鋸
(
のこ
)
ぢやありませんね、切出しかな」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“鋸”の意味
《名詞》
(のこぎり) 木や板を切るのに用いる、片刃または両刃の刃物。
(出典:Wiktionary)
“鋸”の解説
鋸(のこぎり、のこ)は、金属板に多くの刃(歯・目)をつけた切断用の工具。
(出典:Wikipedia)
鋸
漢検準1級
部首:⾦
16画
“鋸”を含む語句
鋸屑
大鋸
鋸歯
円鋸
鋸挽
散目鋸
鋸引
大鋸屑
鋸目
丸鋸
鋸草
鋸葉
鋸齒状
鋸岩
鋸屋
巨鋸屑
旋廻圓鋸機
鋸山
鋸歯状
鋸型
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