鉄道線路てつどうせんろ)” の例文
旧字:鐵道線路
しろかげは、鉄道線路てつどうせんろつたって、ついにまちほうへやってきました。こんどは、まちのあちらこちらで、しろかげのうわさがさかんになりました。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
黄色きいろい、いなか道や、ぴかぴかした鉄道線路てつどうせんろや、青い運河うんがなどが、村々のあいだを、いとりしたように走っていました。
要吉は、毎晩まいばん、売れ残ってくさったくだものを、大きなかごにいれて、鉄道線路てつどうせんろのむこうにあるやぶの中へすてにいかなければなりませんでした。
水菓子屋の要吉 (新字新仮名) / 木内高音(著)
まったく、その中に、白くあらわされた天の川の左のきし沿って一じょう鉄道線路てつどうせんろが、南へ南へとたどって行くのでした。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
鉄道線路てつどうせんろの下に掘られてある横断おうだん用の地下道の、あのくらい陰気いんきな、そしてじめじめしたいやな気持を思い出す。また炭坑たんこうの中のむしあつさを思い出す。
三十年後の東京 (新字新仮名) / 海野十三(著)
おれ酒屋さかや小僧こぞうなんかになるのはいやだからうちかえってきた。おあしがちっともないから鉄道線路てつどうせんろあるいてきたよ。」
海へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
うろこぐもと鉛色なまりいろの月光、九月のイーハトヴの鉄道線路てつどうせんろ内想ないそうです。
あの暴風ぼうふうがくるまえ灰色はいいろ着物きものた、見上みあげるばかりの大男おおおとこが、この鉄道線路てつどうせんろうえをのそりのそりとあるいていたのを、たものがあったというのであります。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)
こうした奇怪きかいはなしは、これまでに、二めであります。この鉄道線路てつどうせんろは、西南せいなんからはしって、この野原のはらなかでひとうねりして、それからまっすぐに北方ほっぽうへと無限むげんつらなっているのでした。
白い影 (新字新仮名) / 小川未明(著)