遠路とほみち)” の例文
音に聞いてゐた東光院とうくわうゐん境内けいだいは、遠路とほみちを歩いて疲れた上に、また長い石段を登つてまで見にくほどの場所でもなかつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
さむい、さむに、この生徒せいと遠路とほみちかよつてきますと、途中とちうらないおばあさんにひました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「えゝ。いつでも十時過ぎますよ。電車はありますがね、随分ずゐぶん遠路とほみちですからね。」
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「悪魔を肩にかついでゐながら、わざわざ遠路とほみちを行くにも当るまいて。」
いかに息災そくさいでもすでに五十九、あけて六十にならうといふのが、うちでこそはくる/\𢌞まはれ、近頃ちかごろ遠路とほみちえうもなく、父親ちゝおやほんる、炬燵こたつはし拜借はいしやくし、母親はゝおや看經かんきんするうしろから、如來樣によらいさまをが身分みぶん
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
まあ、斯樣こんなかじかんだをして、よくさむくありませんね。そのかはり、おまへさんが遠路とほみちかよふものですから、丈夫ぢやうぶさうにりましたよ。御覽ごらん、おまへさんのほゝぺたのいろくなつてたこと。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)