トップ
>
逸
>
そら
ふりがな文庫
“
逸
(
そら
)” の例文
図書
私
(
わたくし
)
が
拳
(
こぶし
)
に据えました、殿様が日本一とて御秘蔵の、白い鷹を、このお天守へ
逸
(
そら
)
しました、その
越度
(
おちど
)
、その罪過でございます。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
今度は、それが実に明白であるように私にも思われたので、彼がどうして彼等の怒りを
逸
(
そら
)
せられるか私には想像がつかなかった。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
立派な日本人ですが、さすがに
混血児
(
あいのこ
)
の父親だけあって、海外生活でも送った人らしく人を
逸
(
そら
)
さぬゆったりとした応対でした。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
さしては相手の
肚
(
はら
)
を見、一手
酬
(
むく
)
いては相手の意を
逸
(
そら
)
して
嘯
(
うそぶ
)
き——いわゆる七分三分のかねあいの状態が——天正十一年から十二年に入ろうとする期間の
新書太閤記:10 第十分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或ひは窓外へ眼を
逸
(
そら
)
して、晴れた日の、又薄曇りの坂下から、坂の上へ流れて行く静かな風景を拾ふのである。
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
森「こりゃア有難い、これはどうもお前さんのような御気性な人はねえや、ちょくで人を
逸
(
そら
)
さないようにして…あなたの
所
(
とこ
)
の旦那はお堅うござえやすねえ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その無心な鮮かさ、浄らかさが、異様に伸子の心を
傷
(
いた
)
ませた。彼女は眼を
逸
(
そら
)
すようにして通り過ぎた。
伸子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
純一は一寸不意に出られてまごついたが、主人の顔を仰いでいる目は
逸
(
そら
)
さなかった。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
圭一郎は
曖昧
(
あいまい
)
に答へを
逸
(
そら
)
して、いい加減に胡麻化した。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
「そんな
代物
(
しろもの
)
じゃねえ。」と小野は目を
逸
(
そら
)
して笑った。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
新しい目を
逸
(
そら
)
さうとして
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
其の
嘴
(
くちばし
)
を
逸
(
そら
)
し給へ
太陽の子
(旧字旧仮名)
/
福士幸次郎
(著)
と、やがて戻って来ると、用が済んで
吻
(
ほっ
)
としたといわんばかりの
面持
(
おももち
)
で膝掛けを引き寄せながら途端に彼女と眼が合った。にっこりと
靨
(
えくぼ
)
を刻んで、人を
逸
(
そら
)
さぬ調子で話しかけてくる。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
と、小六は鉄砲から眼を
逸
(
そら
)
して、うしろに控えている彼を呼んだ。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
眼を
逸
(
そら
)
し、
物懶
(
ものうげ
)
に居隅に
踞
(
うずくま
)
っていようとするのである。
アワァビット
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
逸
常用漢字
中学
部首:⾡
11画
“逸”を含む語句
独逸
飄逸
都々逸
逸見
逸早
逸物
逸話
安逸
逸足
逸出
逸品
逸散
獨逸
放逸
逸人
逸脱
逸駿
見逸
逸雄
逸作
...