送出おくりだ)” の例文
親友しんいう送出おくりだして、アンドレイ、エヒミチはまた讀書どくしよはじめるのであつた。よるしづかなんおとぬ。ときとゞまつて院長ゐんちやうとも書物しよもつうへ途絶とだえてしまつたかのやう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
おなをんな取卷とりまかれてゐても、三上みかみは(説明中止せつめいちうし)——時雨しぐれさんは、社會的しやくわいてきに、文學的ぶんがくてきに、とにかく最早もはや、三四人よにん女文子をんなぶんし送出おくりだしてゐる、この賢明けんめいにしてうつくしいひと
家の中は区役所の出張員が硫黄いおうの煙と石炭酸せきたんさんで消毒したあと、まるで煤掃すすはきか引越しの時のような狼藉ろうぜきに、丁度人気ひとけのない寂しさを加えて、葬式の棺桶かんおけ送出おくりだした後と同じような心持である。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今日私を他郷よそへ流転の旅に送出おくりだそうとした中谷が来ているのだ。
流転 (新字新仮名) / 山下利三郎(著)
親友しんゆう送出おくりだして、アンドレイ、エヒミチはまた読書どくしょはじめるのであった。よるしずかなんおともせぬ。ときとどまって院長いんちょうとも書物しょもつうえ途絶とだえてしまったかのよう。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
うちの中は区役所の出張員しゆつちやういん硫黄いわうの煙と石炭酸せきたんさんで消毒したあと、まるで煤掃すゝはきか引越ひつこしの時のやうな狼藉らうぜきに、丁度ちやうど人気ひとけのないさびしさを加へて、葬式さうしき棺桶くわんおけ送出おくりだしたあとと同じやうな心持こゝろもちである。
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)