“身寄(みよ)” の例文
母親(ははおや)も、また、同(おな)じように子供(こども)を思(おも)っていたのです。身寄(みよ)りのない旅(たび)へ出(で)て、さだめし不自由(ふじゆう)をすることだろう。どうか達者(たっしゃ)で働(はたら)いてくれればいいがと、明(あ)け暮(く)れ仏(ほとけ)さまを拝(おが)んでいました。
母の心 (新字新仮名) / 小川未明(著)
どうぞ、お助け給わりませ。すこしはある身寄(みよ)りの者も、新しい朝(ちょう)や六波羅を
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お覺(おぼ)えがある筈(はづ)なれど一々申さねばお分(わか)りになるまじ、お身寄(みよ)り便(たよ)りのなきお前(まへ)さまの身(み)を案(あん)じて、人(ひと)は教(をし)へが肝賢(かんじん)のものなるに言(い)はヾ園(その)さまなどは今(いま)が白糸(はくし)、何(なん)の色(いろ)にも染(そ)まりやすければ
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
くわしいわけを知(し)った身寄(みよ)りのものたちは、なにか、かわったことが起(お)こらなければいいがと、しんぱいしました。ちょうど、社(やしろ)の上(うえ)の空(そら)には、入(い)り日(ひ)をあびて、雲(くも)の色(いろ)がまっかに見(み)えました。
うずめられた鏡 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「わたしも、家(いえ)を焼(や)かれて、身寄(みよ)りはなし、知(し)り合(あ)いのところで、やっかいになっているが、寒(さむ)さのため、持病(じびょう)のリュウマチがでて、お薬(くすり)を買(か)いにいった……。」と、あとの言葉(ことば)は、よくきこえず
戦争はぼくをおとなにした (新字新仮名) / 小川未明(著)