トップ
>
讒謗
>
ざんぼう
ふりがな文庫
“
讒謗
(
ざんぼう
)” の例文
その妹がさんざんに辱しめられ——恐らくは墓石も悲憤の涙で慄えるであろうような
讒謗
(
ざんぼう
)
と
捏造
(
ねつぞう
)
とを浴びせられているのを
死者の権利
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
ただ悲しいかな、今のみかどとは、事々御理想も
違
(
たご
)
うため、そしてまた、
義貞輩
(
よしさだはい
)
の
讒謗
(
ざんぼう
)
のため、朝敵乱賊などと、一たんの汚名はうけられました。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
魚釣(この湾内ではもろ鰺が良く釣れるそうだが)の下手なのまでが
讒謗
(
ざんぼう
)
の種子になろうとは、私も考えなかった。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
彼はすなわち
囂々
(
ごうごう
)
たる反対、妨害、
罵詈
(
ばり
)
、
讒謗
(
ざんぼう
)
をものともせず、非戦論をひっさげて全国を遊説せんと志し、まず自己の選挙区に帰るや、有権者団体は
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
有った事か無い事か知らんが
罵詈
(
ばり
)
讒謗
(
ざんぼう
)
を始めたは
未
(
ま
)
だしも、
仕舞
(
しまい
)
には弟が非常に怒って兄をぶん
撲
(
なぐ
)
る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
▼ もっと見る
他人を
讒謗
(
ざんぼう
)
して自分のみが優等なるものとするは憂国でもなければ愛国でもないと僕は信じている。
真の愛国心
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
「
余
(
あんまり
)
だから
宜
(
い
)
い……人の感情を弄んだの本田に見返ったのといろんな事を云って
讒謗
(
ざんぼう
)
して……自分の
己惚
(
うぬぼれ
)
でどんな夢を見ていたって、人の知た
事
(
こッ
)
ちゃ有りゃしない……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
かく申さば、
讒謗
(
ざんぼう
)
罵詈
(
ばり
)
礼を知らぬしれ者と思ふ人もあるべけれど、実際なれば
致方
(
いたしかた
)
無之候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
教会に捨てられ信者に
讒謗
(
ざんぼう
)
され悪人視せらるるは決して余のみにあらざるなり。
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
賤民政府という
小冊子
(
パンフレット
)
を旧大名に頒布したため、政府
讒謗
(
ざんぼう
)
の
廉
(
かど
)
で鍛冶橋監獄に繋がれたが、出獄後は拘留中に発病した炎症痛風に悩み、癇癖を募らせて野蛮に近いふるまいをするようになり
湖畔
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
一人
口火
(
くちび
)
を切つたから
堪
(
たま
)
らない。
練馬大根
(
ねりまだいこん
)
と言ふ、おかめと
喚
(
わめ
)
く。雲の
内侍
(
ないじ
)
と呼ぶ、
雨
(
あめ
)
しよぼを踊れ、と
怒鳴
(
どな
)
る。水の輪の拡がり、嵐の狂ふ如く、聞くも堪へない
讒謗
(
ざんぼう
)
罵詈
(
ばり
)
は
雷
(
いかずち
)
の如く
哄
(
どっ
)
と
沸
(
わ
)
く。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
さあ今度は、返すという段になると、人を鬼呼ばわりしたり、
居留守
(
いるす
)
をつかったり、
罵詈
(
ばり
)
讒謗
(
ざんぼう
)
いたしたり、あげくに、払いもせず、
脅
(
おど
)
すという人間もございます。
鍋島甲斐守
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先を見ずにその場にて一時の
快
(
かい
)
を
貪
(
むさぼ
)
る極めて短慮な者には、内容のさらにない雄弁を
揮
(
ふる
)
ってみたり、あるいは
大声
(
たいせい
)
一
喝
(
かつ
)
、相手の人には痛くもない
讒謗
(
ざんぼう
)
や冷評を
浴
(
あび
)
せかけて
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
為にいよいよ、師直
讒謗
(
ざんぼう
)
が、ささやかれ出す。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
讒
漢検1級
部首:⾔
24画
謗
漢検1級
部首:⾔
17画
“讒謗”で始まる語句
讒謗者
讒謗罵詈
讒謗律