見殺みごろ)” の例文
一人の坑夫こうふのことだって、あの二十人百人の仲間なかまがけっして見殺みごろしにはしないじゃないか。おまえさん、それはよく知っているくせに
「あッ、うだった。危い危い! しかし此儘このまま見殺みごろしが出来るもんじゃない。何とか、おい番頭さん、何とかしなければ——」
電気風呂の怪死事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「このまま仲間なかまを、見殺みごろしにすることができるものでない。どんなことをしても、すくわなければならない。」と、それらの人々ひとびとはいいました。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
それにしても、ガンたちだけをこして、羊たちを見殺みごろしにしてしまうのはかわいそうです。そこで、なんとか工夫くふうをして、助けてやりたい、と、思いました。
これはたいへんである。三浦みうら自分じぶんにとりてってもれぬふか因縁いんねん土地とち、このまま土地とち人々ひとびと見殺みごろしにはできない。ことにあそこには良人おっとをはじめ、三浦みうらぞくはかもあること……。
「おせん。おめえ、兄貴あにき見殺みごろしにするつもりか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
見殺みごろしに人のするとも。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
おまえのことは、さっき、よく宿やどひとたのんでおいた。日本にっぽんひとは、こまったものを見殺みごろしにしない。
春風の吹く町 (新字新仮名) / 小川未明(著)
まさちゃんのいうことは、よくわかるじゃないの。いつも、あんなに、かわいがっていて、見殺みごろしにしたからというのだよ。」と、おねえさんは、に、なみだがためていらっしゃいました。
ペスをさがしに (新字新仮名) / 小川未明(著)