西北せいほく)” の例文
まさに、はくれようとしていました。そして、はるか西北せいほくの、だいだいいろそらに、むらさきいろをしたひとつづきの山脈さんみゃくが、あたまをならべていました。
考えこじき (新字新仮名) / 小川未明(著)
西北せいほくそらからどっとせる疾風はやてふねはグルリときをかえ、人々ひとびとたきなす飛沫しぶきを一ぱいにびました。
糸崎行いとざきゆき——おはづかしいが、わたし方角はうがくわからない。たなほこりはらひながら、地名辭典ちめいじてん索引さくいんると、糸崎いとざきふのが越前國ゑちぜんのくに備前國びぜんのくにとにしよある。わたし東西とうざい、いや西北せいほくまよつた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かれまれたまちは、ちいさなせままちでした。やぐらのいただきに、風車ふうしゃがついていて、かぜ方向ほうこうしめすのであるが、西北せいほくからくときは、天気てんきがつづいたのであります。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)