袁紹えんしょう)” の例文
皇帝の位をせんしていた袁術えんじゅつが、兄の袁紹えんしょうと合体して、伝国の玉璽を河北へ持ちゆかんとしているのを、半途にて討たんがためである。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
他の一つは三国時代の袁紹えんしょうの部将の顔良がんりょうを祀ったもので、これもその由来は想像しかねるが、土地の者がいのるとすこぶる霊験があるというので、甚だ信仰されている。
敵の袁紹えんしょうは、捲土重来けんどちょうらいして、四州三十万の兵を催し、ふたたび倉亭そうてい(山東省陽谷県境)のあたりまで進出してきたと早くも聞えた。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さきに都を落ちて、反董卓はんとうたくの態度を明らかにし、中央から惑星視されていた渤海ぼっかいの太守袁紹えんしょうの手もとへも、曹操のげきがやがて届いてきた。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「以前は、袁紹えんしょう従事じゅうじとして仕えていましたが、天子のご還幸を聞いて、洛陽へ馳せのぼり、菲才ひさいをもって、朝に出仕いたしております」
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いや、張飛や関羽などという雑兵に負けて逃げるようでは、呂布の首の値打ちも、もう以前のようにはない」と、袁紹えんしょうは大きく笑った。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冀北きほくの強国、袁紹えんしょうが亡びてから今年九年目、人文じんぶんすべてあらたまったが、秋去れば冬、冬去れば春、四季の風物だけは変らなかった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁一門には、袁紹えんしょうという大物がいることを忘れてはいけません。袁術とても、あの寿春城じゅしゅんじょうに拠って、今河南第一の勢いです。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁紹えんしょうの臣沮授そじゅは、主君袁紹に諫言かんげんして、かえって彼の怒りをかい、軍の監獄に投じられていたが、その夜、獄中に独坐して星を見ているうちに
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
異日、印を奪わん為、洛陽の帰途をち、公を苦しめたるものは袁紹えんしょう謀事はかりごとなり。今また、劉表と議し、江東を襲って、公の地をかすめんとくわだつ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄河をわたり、河北の野遠く、袁紹えんしょうの使いは、曹操から莫大な兵糧軍需品を、蜿蜒えんえん数百頭の馬輛に積載して帰って行った。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
北雲の天は、相かわらずくらい。袁紹えんしょうは死し、曹操そうそうの威は震雷しんらいしている。——が、果たして、旧土の亡民は、心からその威に服しているかどうか。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かくて、風浪のやや鎮まるのを待つうちに、もと袁紹えんしょうの大将で、いまは曹操に仕えているえんの人、焦触しょうしょく張南ちょうなんのふたりが
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黄河沿岸の春も熟し、その後袁紹えんしょうの河北軍は、地の利をあらためて、陽武(河南省・原陽附近)の要害へ拠陣を移した。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところへまた、折も折、河北の袁紹えんしょうからも、同じような目的のもとに、特使が来て、袁紹の書簡を襄城にもたらした。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
董卓とうたくの変このかた、大小の豪傑は、実に数えきれぬほど、輩出しております。わけても河北の袁紹えんしょうなどは、そのうちでも強大な最有力であったでしょう。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予や、この一剣をもって、若年、黄巾こうきんの賊をやぶり、呂布りょふをころし、袁術えんじゅつを亡ぼし、さらに袁紹えんしょうを平げて、深く朔北さくほくに軍馬をすすめ、ひるがえって遼東を定む。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それは、私におただしあるよりは、さきに亡んだ袁紹えんしょうだの劉表りゅうひょうなどがよいお手本ではありませんか」
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「我にそむいた袁紹えんしょうは、必ずや夜のうちに、本国冀州へさして逃げて帰る心にちがいない。彼にも兵力があるから油断はするな。すぐ精兵を率いて追い討ちに打って取れ」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
帝をはじめ、茫然、疑い怖れているばかりだったが、時に袁紹えんしょうあって、鹵簿ろぼの前へ馬をすすめ
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
母は、甄氏しんしむすめである。傾国の美人であるといわれて、初め袁紹えんしょうの二男袁煕えんきの夫人となったがそれを攻め破ったときから、曹丕の室に入り、後、太子曹叡を生んだのであった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分は袁紹えんしょう、劉表を討平とうへいし、身は宰相の重きにあるといえ、或いは疑いを抱いて、曹操も天下を纂奪さんだつする野心があるのでないかなどという者があるかもしれぬが、われ少年の日
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「新帝万歳」の声が、喪の禁苑きんえんをゆるがすと共に、御林軍ぎょりんぐん(近衛兵)を指揮する袁紹えんしょう
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「敵か」と、徐晃、張遼などが、ふたたび苦戦を覚悟して物見させると、それはもと、袁紹えんしょうの部下で、後、曹操に降り、久しく北国の一地方に屈踞くっきょしていた馬延ばえん張顗ちょうぎのふたりだった。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
袁紹えんしょうと戦ったとき、袁紹のために檄文げきぶんを作った陳琳ちんりんが、その文中に操をさして
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)