トップ
>
蜚語
>
ひご
ふりがな文庫
“
蜚語
(
ひご
)” の例文
貨殖
(
かしよく
)
に
忙
(
せわ
)
しかった彼女が
種々
(
いろいろ
)
な客席へ招かれてゆくので、あらぬ噂さえ立ってそんな事まで黙許しているのかと
蜚語
(
ひご
)
されたほどである。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
関東筋でも躍起になって探りを入れたんだが、そのうちにバッタリ評判を聞かなくなったから、流言
蜚語
(
ひご
)
だったんだろうで済んでしまった。
魔都
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
蜀の実情は、魏軍の目ざましい進出に対して、たしかに深刻な脅威をうけ、流言
蜚語
(
ひご
)
は
旺
(
さかん
)
に、今にも曹操が、蜀境を突破してくるようなことを
流布
(
るふ
)
していた。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
流言
蜚語
(
ひご
)
の伝播の状況には、前記の燃焼の伝播の状況と、形式の上から見て幾分か類似した点がある。
流言蜚語
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
若い者をそそのかし、
蜚語
(
ひご
)
を
撒
(
ま
)
きちらして、忠誠も御恩報じもないものだ。ポローニヤス、君の罪は、単に辞職くらいでは、すまされません。わしは、君を見そこなった。
新ハムレット
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
▼ もっと見る
續いて今度の歸國、瀬戸内海は船で通すにしても、藝州と防州の沖を、無事には通れまい——と言つた
蜚語
(
ひご
)
流説が、早耳のガラツ八を通して、平次の耳へも聽えて來ました。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
流言
蜚語
(
ひご
)
は間断なく飛んで物情
恟々
(
きょうきょう
)
、何をするにも落付かれないで仕事が手に付かなかった。
最後の大杉
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
網の目のように入り乱れたその騒々しい小路は、流言
蜚語
(
ひご
)
で満たされた。人々はできるだけの武装をした。ある
指物師
(
さしものし
)
らは、「戸を破るため」に仕事台の
鉤金
(
かきがね
)
を持ち出した。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
身ごしらえ——喧嘩
乃至
(
ないし
)
は火事見舞の支度がいい。金銭——については両替、出入国、相場に関して流言
蜚語
(
ひご
)
真に区々まちまち、よろしく上手に立ちまわること肝要、とだけいっておこう。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
流言
(
りうげん
)
の
蠅
(
はへ
)
、
蜚語
(
ひご
)
の
鼠
(
ねずみ
)
、そこらの
豫言者
(
よげんしや
)
に
對
(
たい
)
するには、
周南先生
(
しうなんせんせい
)
の
流儀
(
りうぎ
)
に
限
(
かぎ
)
る。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夕方
永代
(
えいたい
)
の橋から見ると
羽田
(
はねだ
)
の沖に血の色の入道雲が立っているがあれこそ国難の
兆
(
しるし
)
であろう——流言
蜚語
(
ひご
)
、
豆州
(
ずしゅう
)
神奈川あたりの人は江戸へ逃げ込むし、気の早い江戸の町人は在方を指して
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
領主の暴政に、人心離反して次第に動揺し、流言
蜚語
(
ひご
)
また盛んに飛んだ。
島原の乱
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
種々様々の流言
蜚語
(
ひご
)
を放つことを打合せました。イエ、そればかりではありません。もっと恐ろしいことがあるのです。その内の首領らしい覆面の男が重々しい口調でこんなことを云ったのです。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
君の留守に北京はすつかり流言
蜚語
(
ひご
)
の
市
(
まち
)
になつてしまつたよ。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
などという
蜚語
(
ひご
)
が乱れ飛んだ。
『七面鳥』と『忘れ褌』
(新字新仮名)
/
佐藤垢石
(著)
何しろ、議論百出なのだ、理論はそう
大雑把
(
おおざっぱ
)
なわけにゆかない。義士の品行論や、復讐論にまで
亙
(
わた
)
って果しがない。いろいろな流言
蜚語
(
ひご
)
もこの間に放たれる。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
つづいて今度の帰国、瀬戸内海は船で通すにしても、芸州と防州の沖を、無事には通れまい——と言った
蜚語
(
ひご
)
流説が、早耳のガラッ八を通して、平次の耳へも聴えて来ました。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
鉄砲でやられているのと、盛んな
蜚語
(
ひご
)
が飛んで、人々は上を下へと、
悦
(
よろこ
)
んだり青くなったり、そのなかを市中は、
菰樽
(
こもだる
)
のかがみをぬいて、
角々
(
かどかど
)
での
大盤振舞
(
おおばんぶるまい
)
なのだから(前章参照)
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
苟安
(
こうあん
)
は間もなく姿をかえて、蜀の成都へ入り込んだ。そして都中に諜報機関の巣をつくり、莫大な金を
費
(
つか
)
って、ひたすら流言
蜚語
(
ひご
)
を放つことを任務としていた。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
平次はもう一つこの流言
蜚語
(
ひご
)
に留めを刺したのです。
銭形平次捕物控:198 狼の牙
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“蜚語”の意味
《名詞》
飛語(ひご 「飛語」に「同音の漢字による書きかえ」がなされる)
根拠のない話。うわさ。言いふらし。
(出典:Wiktionary)
蜚
漢検1級
部首:⾍
14画
語
常用漢字
小2
部首:⾔
14画
“蜚語”で始まる語句
蜚語流言
蜚語雑言