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花色
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はないろ
相手に
差置伯父九郎兵衞の前は
道連の人が尋ねて參りしと申
置しに藤八は
軈て酒宴の席を
覗き見れば二ツ
髷の後家の
側に居る
巴の
紋付たる黒の羽織を着せし者と其
傍に居る
花色の
布子を
着酌を
鬼子とよべど
鳶が
産んだるおたかとて
今年二八のつぼみの
花色ゆたかにして
匂濃やかに
天晴れ
當代の
小町衣通ひめと
世間に
出さぬも
道理か
荒き
風に
當りもせばあの
柳腰なにとせんと
仇口にさへ
噂し
連れて
五十稻荷の
縁日に
後姿のみも
拜し
得たる
若ものは
榮譽幸福上やあらん
卒業試驗の
優等證は
何のものかは