色澤いろつや)” の例文
新字:色沢
全身の美しい色澤いろつや、口を開いて、舌を少し出して居る樣子、苦惱の色こそありますが、毒殺でないことは、素人の平次にもはつきり判ります。
あかるい燈火ともしびした三人さんにん待設まちまうけたかほはしたとき宗助そうすけなによりも病人びやうにん色澤いろつや回復くわいふくしてこといた。まへよりもかへつてくらゐえた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
媼が我に「アヱ、マリア」唱へしむるとき、美しき色澤いろつやある蜥蝪とかげ我が側を走り過ぎぬ。
さけきなたちで、いまでもすこしづゝは晩酌ばんしやく所爲せゐか、色澤いろつやもよく、でつぷりふとつてゐるから、としよりは餘程よほどわかえる。御米およね叔母をばるたんびに、叔母をばさんはわかいのねと、あとでよく宗助そうすけはなした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)