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良君
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をつと
『あら、あら、あの
音は——。』と
日出雄少年は
眼をまん
丸にして
母君の
優しき
顏を
仰ぐと、
春枝夫人は
默然として、
其良君を
見る。
濱島武文は
靜かに
立上つて
此時夫人は
少年を
膝に
上せて、
其良君や
他の
三人を
相手に
談話をして
居つたが、
私の
姿を
見るより
私は
今、
春枝夫人が
波間に
沈んだと
聞いても、どうも
不幸なる
最後を
遂げられたとは
思はれない、
或は
意外の
救助を
得て、子ープルスなる
良君の
許へ
皈つて、
今頃は
却て