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與
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よし
一
向きに
病氣とばかり
思ひぬれば、
與四
郎限りもなく
傷ましくて、
醫者にかゝれの、
藥を
呑めのと
悋氣は
忘れて
此事に
心を
盡しぬ。
うすら
淋しき
樣に
物おもはしげにて、
何れ
華族であらうお
化粧が
濃厚だと
與四
郎の
振かへりて
言ふを
耳にも
入れぬらしき
樣にて、
我れと
我が
身を
打ながめ
唯悄然としてあるに
與四
郎心ならず
お
先へ
車で
歸りますと
力なさゝうに
凋れて
言へは、
夫れはと
與四
郎案じ
始めて、
一人では
何も
面白くは
無い、
又來るとして
今日は
廢めにせうと
美尾がいふまゝ
優しう
同意して
呉れる
嬉しさも