臀餅しりもち)” の例文
あゝ、おさだ迄かと思うとペタ/\と臀餅しりもちいて、ただ夢のような心持で、呆然ぼんやりとして四辺を見まわし、やがて気が付いたと見えて
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
不意ふい出来事できごとに、女房にょうぼうおもわずキャッ! とさけんで、地面じべた臀餅しりもちをついてしまいましたが、そのころ人間にんげん現今いま人間にんげんとはちがいまして、すこしはかみごころがございますから
彼は喪心したようにぐらぐらとよろめいて其処そこにある椅子いすの上に臀餅しりもちをついた。
途上 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
臀餅しりもちをつくはずです、其の下にあったのは押切おしぎりと云う物で、土踏まずの処を深く切込みましたから、新五郎ももう是までと覚悟しました。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そして、二三歩足を運んだところで、どしんと臀餅しりもちをついてしまった。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
鼻の先へ怪しいものが出ればアッと云って臀餅しりもちをつくのは、やっぱり神経がと怪しいのでございましょう。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
我が泉氏ははつと云つてピタリと臀餅しりもちくやうにすわつた。
泉先生と私 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
すると雨で粘土ねばつちが滑るから、ズルリ滑って落ちると、ボサッカの脇の処へズデンドウと臀餅しりもちを搗きまする、とボサッカの中から頬冠ほゝかぶりをした奴がニョコリと立った。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
我が泉氏ははつと云つてピタリと臀餅しりもちくやうにすわつた。
青春物語:02 青春物語 (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
どんと山之助が臀餅しりもちをついたなり起上る事が出来ません、山之助が斬られたのを見るとお繼が
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
新刀あらみを抜放し、やりすごした小野庄左衞門のうしろからプツーリッと剣客先生が斬りますと、右の肩から胴の処まで斬り込み、臀餅しりもちをついたが、小野庄左衞門、残念と思いまして脇差に手を掛けたばかり
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
と云いながらひょろ/\とよろけてハタと臀餅しりもちき、ようやく起きあがってひたいにらみ、いきなり拳骨げんこつふる丁々ちょう/\と打たれて、中間は酒のとが堪忍かんにんして逆らわず、大地に手を突きこうべを下げて、しきりにびても