トップ
>
胸中
>
きょうちゅう
ふりがな文庫
“
胸中
(
きょうちゅう
)” の例文
その引っ繰り返るという時の人の
胸中
(
きょうちゅう
)
に同情があって、その同情を
惹
(
ひ
)
き起すという事が出来なければ、あれは成功は出来ないのである。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
共に眺めんキトウスの月、翁は久しくキトウスの月を共に眺むる人を求めて居る。若い者さえ見ると、
胸中
(
きょうちゅう
)
の
秘
(
ひ
)
をほのめかす。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
然
(
しか
)
る処また/\別の
考
(
かんがえ
)
いつともなく
胸中
(
きょうちゅう
)
に浮び来り申候。それは
彼
(
か
)
の金子今も果して樹上の穴に有之候
哉
(
や
)
否や。
榎物語
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
胸中
(
きょうちゅう
)
に
深刻
(
しんこく
)
な
痛
(
いた
)
みをおぼえてから、
気楽
(
きらく
)
な
悠長
(
ゆうちょう
)
な農民を
相手
(
あいて
)
にして遊ぶにたえられなくなったのである。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そう考えてしのびこんだ
胸中
(
きょうちゅう
)
の
大
(
だい
)
一
念
(
ねん
)
、おのずから
燐
(
りん
)
のごとく
眼脈
(
がんみゃく
)
に
燃
(
も
)
えあがっているので、
暗々
(
あんあん
)
たる
屋根
(
やね
)
うらの
梁
(
はり
)
に、そのものすごい
形相
(
ぎょうそう
)
をあおいだ
蛾次郎
(
がじろう
)
が
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
思慮
(
しりょ
)
のただ
胸中
(
きょうちゅう
)
にあるのみにては、まだ男性の資格を充分に
発揮
(
はっき
)
したとは言い
難
(
がた
)
い。なんとなれば男性の特性は活動にある。働きかけすなわち能動は男性的にして、女子は受け身である。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
伴い、汝は帰国するのだ。それから先のことは、汝の
胸中
(
きょうちゅう
)
に自ら策がわいて来るであろう。とにかくわれは、汝ら三名の平安のために、今より
呪文
(
じゅもん
)
を結ぶであろう。しばらく、それに
控
(
ひか
)
えていよ
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
あしたは
祭礼
(
さいれい
)
の日というので朝から家じゅう
総
(
そう
)
がかりで内外の
取
(
と
)
りかたづけやらふるまいの用意にたてきってる
際
(
さい
)
に、
告
(
つ
)
げ
人
(
びと
)
を受けたのである。お政はほとんど
胸中
(
きょうちゅう
)
が
転倒
(
てんとう
)
している。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
畜産界
(
ちくさんかい
)
のためということも考えて働いた。
人民
(
じんみん
)
のためということも考えて働いた。けれどもただ自分のためということは、ほとんど
胸中
(
きょうちゅう
)
になく働いておった。なんといううかつであったろう。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
“胸中”の意味
《名詞》
胸中(きょうちゅう)
胸の内。心中。
(出典:Wiktionary)
胸
常用漢字
小6
部首:⾁
10画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“胸”で始まる語句
胸
胸倉
胸襟
胸算用
胸毛
胸板
胸騒
胸算
胸乳
胸高