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翠
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みど
ふりがな文庫
“
翠
(
みど
)” の例文
近江
(
おうみ
)
の空を深く色どるこの森の、動かねば、その
上
(
かみ
)
の幹と、その上の枝が、
幾重
(
いくえ
)
幾里に
連
(
つら
)
なりて、
昔
(
むか
)
しながらの
翠
(
みど
)
りを年ごとに黒く畳むと見える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
山の
翠
(
みど
)
りもよいし、渓流のせせらぎ、朝の青嵐もよいが、感覚的に愉しいのは、この鮎の匂ひを川から嗅ぐ時だ。
夏と魚
(新字旧仮名)
/
佐藤惣之助
(著)
橄欖
(
かんらん
)
の
翠
(
みど
)
りしたたるオリムピアがすでに
昔
(
むかし
)
に過ぎ去ってしまった
証拠
(
しょうこ
)
には、みんなの面に、身体に、帰ってからの
遊蕩
(
ゆうとう
)
、不節制のあとが歴々と刻まれ、
曇
(
くも
)
り空、どんより
濁
(
にご
)
った
隅田川
(
すみだがわ
)
を
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
海棠の
後
(
うし
)
ろにはちょっとした茂みがあって、奥は
大竹藪
(
おおたけやぶ
)
が十丈の
翠
(
みど
)
りを春の日に
曝
(
さら
)
している。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
岨道
(
そばみち
)
を登り切ると、山の
出鼻
(
でばな
)
の
平
(
たいら
)
な所へ出た。北側は
翠
(
みど
)
りを
畳
(
たた
)
む春の峰で、今朝
椽
(
えん
)
から仰いだあたりかも知れない。南側には焼野とも云うべき地勢が幅半丁ほど広がって、末は
崩
(
くず
)
れた
崖
(
がけ
)
となる。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
古い京をいやが上に
寂
(
さ
)
びよと降る
糠雨
(
ぬかあめ
)
が、赤い腹を空に見せて
衝
(
つ
)
いと行く
乙鳥
(
つばくら
)
の
背
(
せ
)
に
応
(
こた
)
えるほど繁くなったとき、
下京
(
しもきょう
)
も
上京
(
かみきょう
)
もしめやかに
濡
(
ぬ
)
れて、
三十六峰
(
さんじゅうろっぽう
)
の
翠
(
みど
)
りの底に、音は
友禅
(
ゆうぜん
)
の
紅
(
べに
)
を溶いて
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
翠
漢検準1級
部首:⽻
14画
“翠”を含む語句
翡翠
翠色
翠緑
空翠
翠巒
翠微
翠帳紅閨
翡翠色
翠帳
積翠
緑翠
曲翠
翠烟
翠鬟
小室翠雲
翠嵐
須藤南翠
珠翠
金翠
幽翠
...