“翠嵐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すゐらん50.0%
すいらん50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
路は暫し松林しようりんの間を穿うがちて、茅屋ばうおく村舍の上になびける細き烟のさながらの如くなるを微見ほのみつゝ、次第に翠嵐すゐらん深き處へとのぼり行きしが
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
驛を過れば、山影再び帽廂ばうさうに近く、木曾川の流も亦その美しき景を眼前に展開しきたる。一危橋あり、翠嵐すゐらん搖曳するの間に架し、刈草かりくさを滿載したる馬のおもむろに其間を過ぎ行く、また趣なしとせず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
鬱蒼うっそうとした其処ここの杉柏さんぱくの梢からは、烟霧えんむのような翠嵐すいらんが起って、細い雨が明い日光にすかられた。思いもかけない山麓さんろくの傾斜面にせた田畑があったり、厚い薮畳やぶだたみの蔭に、人家があったりした。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)