“すゐらん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
翠巒80.0%
翠嵐20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
然し京都には幸にして近世文明の容易に侵略する事を許さぬ東山の翠巒すゐらんがある。西山北山を顧望するも亦さほどに都市發展の侵害を被つてゐないやうに見えた。
十年振:一名京都紀行 (旧字旧仮名) / 永井荷風(著)
青山せいざん翠巒すゐらん應接にいとまがない。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
路は暫し松林しようりんの間を穿うがちて、茅屋ばうおく村舍の上になびける細き烟のさながらの如くなるを微見ほのみつゝ、次第に翠嵐すゐらん深き處へとのぼり行きしが
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)
驛を過れば、山影再び帽廂ばうさうに近く、木曾川の流も亦その美しき景を眼前に展開しきたる。一危橋あり、翠嵐すゐらん搖曳するの間に架し、刈草かりくさを滿載したる馬のおもむろに其間を過ぎ行く、また趣なしとせず。
秋の岐蘇路 (旧字旧仮名) / 田山花袋(著)