“義(よし)” の例文
もう、お母(かあ)さんに抱(だ)かれている、小(ちい)さい弟(おとうと)の繁(しげる)さんも、後(あと)からついてきた、義(よし)ちゃんも、うれしそうな顔(かお)つきをして、元気(げんき)でありました。
僕は兄さんだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
河野(こうの)の義(よし)さんが生まれた年だから、もうかれこれ十四五年の昔になる。自分もまだやっと十か十三ぐらいであったろう。
竜舌蘭 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
義助 (姿は見えないで)義(よし)め、また屋根へ上っとるんやな。こなにかんかん照っとるのに、暑気(あつけ)するがなあ。
屋上の狂人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「すゑも義(よし)もおとなしうして、よつくをぢさんのいふことを聞かにやあかんぞ」
続生活の探求 (旧字旧仮名) / 島木健作(著)
「いいえ、何でもありませぬ。途中で、辻斬りらしいお侍に出会いますと、案内に立ってくれた、義(よし)さんとやらが、御当地のお人にも似合わない、弱虫で、横っ飛びに遁げておしまいでしたが、——では、ここまで、夢中で飛んでお帰りだったと見えますね」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
「いい子(こ)だから、義(よし)ちゃん、すこしかしておいてくださいね。いまじきにはなすから。」と、お母(かあ)さんは、おっしゃいました。
僕は兄さんだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
(藤作を見送った後)さあ義(よし)! おとなしゅう降りるんだぜ。
屋上の狂人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
義(よし)ちゃんは立派に大きくなったが、竜舌蘭(りゅうぜつらん)は今はない。
竜舌蘭 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
「チンチン、ゴーゴー。」といって、赤(あか)ちゃんは、いつまでも帰(かえ)ろうとはしませんでした。義(よし)ちゃんは、早(はや)くお家(うち)へ帰(かえ)ってご本(ほん)が見(み)たくなりました。
僕は兄さんだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
「義(よし)ちゃんが、ずっとこうして、家(いえ)にいてくれたらいいのにね。」と、姉(あね)はそばに立(た)ち、鼻(はな)をつまらせていました。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まあ、義(よし)ちゃんなの? お母(かあ)さん、義(よし)ちゃんが帰(かえ)ってきましたよ……。」と、さけんだ。その声(こえ)をきいて、母(はは)も、ぼくも、ころげるようにとびだしました。兄(あに)は、泣(な)いているのです。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「義(よし)ちゃん、どうかしたの?」といって、兄(あに)の顔(かお)をのぞくようにしました。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ああ、乞食(こじき)だね。」と、義(よし)ちゃんが、いいました。
雪の降った日 (新字新仮名) / 小川未明(著)