絶體絶命ぜつたいぜつめい)” の例文
新字:絶体絶命
わたくしはハツトおもつて一時いちじ遁出にげださうとしたが、今更いまさらげたとてなん甲斐かひがあらう、もう絶體絶命ぜつたいぜつめい覺悟かくごしたとき猛狒ゴリラはすでに目前もくぜん切迫せつぱくした。
惡者共は七八人裏手うらてへ廻り立はさみ前後より追迫るにぞ半四郎は彌々いよ/\絶體絶命ぜつたいぜつめいはたふちなるはんの木をヤツと聲かけ根限ねこぎになしサア來れと身構へたり之を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
併しながら今や絶體絶命ぜつたいぜつめいの場合となつて、何方とも身の振方を付けなければならぬ破目はめに押付けられてゐる。で
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あゝ絶體絶命ぜつたいぜつめい……うだ。何時いつ貴方あなた露西亞ロシヤには哲學てつがくい、しかたれも、かれも、丁斑魚めだかでさへも哲學てつがくをすると有仰おつしやつたつけ。しか丁斑魚めだか哲學てつがくをすればつて、だれにもがいいのでせう。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
扨又大岡越前守殿には文右衞門一件段々だん/\吟味ぎんみすゑ下谷車坂町六兵衞たな藤助の兄弟を呼出よびいだされしかば久兵衞は彌々いよ/\絶體絶命ぜつたいぜつめい覺悟かくごするものゝ又何とか言拔いひぬけんと心に工夫くふう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
絶體絶命ぜつたいぜつめい!。』と一同いちどう嘆息たんそくした。
出さんとすれ共我も油斷ゆだんなく往來の人に交る故其難はのがれたれども今宵こよひ一夜が絶體絶命ぜつたいぜつめい明日は古郷へ五里ばかりの處なり今夜をすごせば明日は安堵あんどいたすべし何卒今宵の大難を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)