籠城ろうじやう)” の例文
東京驛とうきやうえき一番いちばんてば、無理むりにも右樣みぎやう計略けいりやくおこなはれないこともなささうだが、籠城ろうじやう難儀なんぎおよんだところで、夜討ようち眞似まねても、あさがけの出來できない愚將ぐしやうである。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
鉢肴はちざかなまたあらひとなへ、縁日えんにち金魚きんぎよどんぶりかせて——(こほりへてもいゝ)——のちにひきものにたせてかへす、ほとん籠城ろうじやううまあら傳説でんせつごとき、すご寸法すんぱふがあると仄聞そくぶんした。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
またるよ、とふられさうなさき見越みこして、勘定かんぢやうをすまして、いさぎよ退しりぞいた。が、旅宿りよしゆくかへつて、雙方さうはうかほ見合みあはせて、ためいきをホツといた。——今夜こんや一夜いちや籠城ろうじやうにも、あますところの兵糧ひやうらうでは覺束おぼつかない。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)